素人アメリカ人が、わずか9日間で日本国憲法の草案を作成? 知られざる衝撃の事実

社会

公開日:2017/7/19

『米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体(角川新書)』(KADOKAWA)

 9日間──。さて、この日数、じつは私たち日本人にとって、とても大切な“あるもの”を作成することに要した期間なのだが、それが何かお分かりだろうか? 『米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体(角川新書)』(KADOKAWA)の著者、ケント・ギルバート氏によれば、その答えはなんと、「日本国憲法」だというから驚きではないか。

 それだけではない。9日間の突貫工事で日本国憲法の草案作成を行ったのは、日本人ではなく、ダグラス・マッカーサー元帥率いるGHQだというのだ。その衝撃の事実が記された箇所を引用しよう。

 実際に憲法草案を書いたのはGHQ民生局局長であるコートニー・ホイットニー准将から命令を受けた24人の若いアメリカ人でした。(中略)1946年2月3日にマッカーサーがホイットニーに指示を出し、4日にチームが草案作成を開始して、12日に完成します。(本書より引用)

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 しかも憲法の専門家はひとりもおらず、わずか4人に弁護士資格があっただけのチームだったというのだから、絶句してしまう。

「だからといって、平和憲法なのだからいいのでは?」と思う人もいるだろう。そんな人に著者はこんなふうに問いかけるのだ。

「たしかに平和を目指した憲法だが、それは日本のではない。米国にとって日本が無害な国になるように、つまり米国の平和のためにGHQがコントロールした憲法なのさ。それが正体なんだけど、それでもいいの?」と──。

 このように本書は、日本人が知らなかった日本国憲法の秘密、そして正体を次々に明かしていくのである。

 1971年に来日し、タレント活動や著述活動を通して、平和ボケした日本に対して、親日家の立場として様々なゲキを飛ばすケント氏。本書では、まず中国や北朝鮮など日本の周囲を取り囲む国際情勢と米軍依存の危険性を指摘する。そしてメインパートでは、日本国憲法や改正に対する間違った認識や、日本国憲法の知られざる誕生の秘密とその正体、さらには改正反対論の主な「4つのウソ」を論破することで、著者は「憲法改正の必要性」を訴えていく。

私が日本に憲法改正を望む最大の理由は、現在のままでは50年後、100年後には、私の愛する日本が、失われている可能性が高いと危惧しているからです。
 日本という国は建国以来、一度も滅んだことがありません。日本は現存する世界最古の国家なのです。だから日本人は「国が滅ぶ」ということが実感できないのだと思います。

 著者の「滅ぶ感覚がない」というこの指摘に、ハッと気づかされはしないだろうか? たしかに日本史の授業で、諸外国に対して警戒感を意識するような教育を受けた覚えはない。一方で、日本は先の大戦において「悪いことをした」という意識だけは植え付けられたような気はしないだろうか?

 この日本人のDNAに浸透した戦争への贖罪意識も、著者によればじつは、GHQによる洗脳政策「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム効果」なのだ。これにより日本は対外政策において、いつも相手の顔色を窺い、弱腰になり、自立できない状態になっていると著者は指摘する。

 教科書からでは学べない、日本国憲法の正体が様々に記された本書。そして、あふれんばかりの日本への愛国精神をもって書かれた本書。今後、選挙で投じる一票などを含め、各自が憲法とどう向き合うのかを考えるうえで、ぜひとも参考にしたい一冊だ。

文=未来遥