1日の始まりは味噌汁にあり! 幼馴染女子が毎日朝ごはんを作りに来てくれる胸キュングルメ漫画

マンガ

公開日:2017/8/4

『味噌汁でカンパイ!』(笹乃さい/小学館)

 日本人の食生活とは切っても切れない存在「味噌汁」。そんな味噌汁をテーマにした、ホッコリと温まるストーリーが話題のグルメ漫画をご存じでしょうか。その名も『味噌汁でカンパイ!』(笹乃さい/小学館)。ちなみに、8月10日には最新刊の4巻も発売。追いつくなら今ですよ。

 主人公は、9年前に母親を亡くし父子家庭で育った中学生・善一郎(作中では善が愛称)。父親は商社で働く多忙なビジネスマンゆえ、2人の生活リズムはバラバラ。善は毎朝コンビニで買った菓子パンやおにぎりをひとりで食べて生活していました。そんな善の朝ごはん事情を知った幼馴染の八重は、彼のために毎日朝ごはんを作りに来るようになり……。

 善、君はなんて恵まれた子なんだ……。だって、毎朝エプロンをつけた幼馴染が起こしに来てくれる上に、朝ごはんも用意して一緒に食べてくれるんですよ。夢みたいな生活じゃないですか。

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 でも、それほど八重が熱心に朝ごはんを作るのは、恋愛感情からではなく「善のお母さんになりたい」から。幼いころに母親を亡くした善のお母さん代わりになろうとしてるんですね。善は八重に恋心を抱いているので、彼女が善に対して恋愛を意識していない姿にがっくりきちゃうのも、なんだか初々しくてきゅんとしてしまうところ。

 作品中では、しじみやわかめ、豆腐などオーソドックスなお味噌汁もあれば、パンに合う洋風のお味噌汁や冷や汁、長野名物のたけのこ汁など、変わり種の味噌汁も続々と登場。最初は「味噌汁縛りでそんなにストーリーがもつのかな?」なんて思ったりもしましたが、そんな心配は無用でした。

 八重と善は、出汁の取り方や味噌の種類など様々なことを学びながら、新しいお味噌汁を開拓していきます。これだけ昔から日本人に愛されてきた味噌汁、その奥深さに脱帽してしまいます。普段は慣れてしまって気づかないけど、実は毎朝飲んでる味噌汁ってこんなに素敵なものなんだ、と再発見できる作品です。

 恋愛話が苦手で「私は善のお母さんになるの!」と豪語する八重。でも、2人で過ごす時間が増えていくにつれ、たまに善を意識してしまう瞬間があり……。どうやら想いは善の一方通行では終わらなそう。

ゆっくりと関係が進展していく彼らの今後にも期待大。味噌汁のような、ホッとする味わいの作品をいかがでしょうか。

文=園田菜々