なぜ『徒然草』はスティーブ・ジョブズに影響を与えたのか? 700年前の古典をわかりやすい意訳で読み解く

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公開日:2017/8/16

 わかりやすい意訳と美しい写真、イラストで『徒然草』が楽しめる『こころ彩る徒然草 ~兼好さんと、お茶をいっぷく』が2017年7月29日(土)に発売された。

 『徒然草』といえば「つれづれなるままに、日ぐらし…」で始まる、誰もが知っている有名古典。しかし、序段を子どもの頃に覚えたきり、最後まで読むことなく大人になった人がほとんどなのではないだろうか。

 同書は『徒然草』から66のメッセージを選び、古典新訳ではなく、兼好自身が直接語りかけるような意訳で紹介する一冊。

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「心を磨いて、すてきな人を目指しましょう」
「決意したことは、迷わず、すぐに実行すべきです」
「始めと終わりには、特別に、深い味わいがあります」
「他人から、バカにされようと、笑われようと、恥じてはいけません」

といった現代にも通じるメッセージから、今も昔も人が求めているものは何も変わらないのだと思い知らされる。

もし、未来が分かる人が来て、
「おまえの命は、明日、必ずなくなるであろう」
と知らせてくれたら、どうしますか。
さて、今日一日、いつもと同じことに、せっせと
取り組むことができるでしょうか。
徒然草 第一〇八段

悪口を言われたら「悔しい」「恥ずかしい」と思いますが、
言った人も、聞いた人も、すぐに死んでいきますから、
気にしなくてもいいのです。
徒然草 第三八段

 兼好の豊かな教養と幅広い交流から生まれた名文が楽しめる同書。『徒然草』が700年たった今も、なぜスティーブ・ジョブズなどの経営者に影響を与えてきたのかがわかることだろう。

※掲載内容は変更になる場合があります。