『週刊少年ジャンプ』連載マンガ『ぼくたちは勉強ができない』の元ネタ本、2万部突破!

アニメ・マンガ

2017/8/21


場所:フタバ図書GIGA上安店

 昔から「夏は入試の天王山」とか「夏を制するものは受験を制する」などといわれてきた。まさに今は夏ど真ん中。受験生にはさらにスパートのかかる時期だが、実は昨今、大学受験対策のスタートは早ければ早いほどいいとも言われており、すでに高1から受験対策を始めている人もいる。とはいえイマイチだらだらしちゃって…なんて声も聞こえてきがちなのも夏休みだ。

『行きたい大学に行くための勉強法がわかる 高校一冊目の参考書』(船登惟希:著、usi:イラスト/KADOKAWA)

 そんな悩める高校生の強力な助っ人、『行きたい大学に行くための勉強法がわかる 高校一冊目の参考書』(船登惟希:著、usi:イラスト/KADOKAWA)を紹介しよう。昨年冬の発売以来大好評ですでに累計2万部を数えるこの本、勉強の心構えと勉強の仕方、参考書の使い方まで、独学で東大に現役合格した参考書作家が秘訣を徹底的に教えてくれる。面白いのは、勉強に不安を抱く高1の田中を主人公にした、読みやすいストーリー仕立てになっていること。田中は高校生にありがちな疑問をさまざまに抱えていて、そんな彼に目線を重ねるから納得感があるし、今、何をやったらいいのか自然に頭が整理されてくる。

『ぼくたちは勉強ができない』(筒井大志/集英社)

 実はこの本、『週刊少年ジャンプ』の人気マンガ『ぼくたちは勉強ができない』(筒井大志/集英社)の元ネタにもなっている。教育的指導ラブコメという謎ジャンルだが、物語は能力に凹凸がありすぎる天才美少女たちを志望大学に合格させるため、同級生の唯我が教育係として奮闘するという物語。唯我が繰り出す勉強法に、この本の内容が活かされているのだ。

 たとえば「英語で点取るにはまず、とにかく単語と文法だ。そしてスラスラ訳せるようになるまでひたすら反芻して…」と唯我は教えるが、これは本書にある「英語は同じ文章を何度も読むことで成績が上がる教科」という考え方をベースにしたものだし、国語の長文克服法の「削読法」(接続詞などをヒントに繰り返しの文章などを削っていき、作者の主張だけ残す読み方)も本で紹介されているテクニックだ。本書にもとづいた勉強法の実践で美少女たちの成績が少しずつUPしていくのは、マンガとはいえなんだか励まされるもの。美少女たちに続くには、まずは本書を手に取るしかない!

 なお、『行きたい大学に行くための勉強法がわかる 高校一冊目の参考書』が掲げる大きなポイントは「参考書中心主義」。成績は学習時間×学習効率であがるもので、学習効率とは「限られた勉強時間の中で、参考書を何周繰り返すことができるか」のことであり、効率をあげたければ量をこなすほかない、と著者。成績が伸び悩んでいる人ほど市販の参考書を中途半端なままにして塾や家庭教師などに頼りがちだが、それは逆効果。「参考書にかける時間がさらに減り、状況を悪化させる」と指摘するのだ。

 その上で全教科のおすすめ参考書、そしてそれらをいつどんな風に使えばいいのかを具体的に教えてくれるのだが、教科によって攻め方にも少しずつ違いがある上に、センターレベルかその上かなど到達目標も具体的に示してくれるのでかなり参考になる。


 ちなみに「アッと驚く魔法の参考書なんてものは存在しない。それより、参考書をどう使うかが大事」とのこと。たしかに紹介されている参考書にはオーソドックスなものも多く、教科書傍用タイプで基礎固めに定評のある実教出版のエクセルシリーズ(数学、化学、生物で紹介)や、旺文社の問題精講シリーズ(数学、英語、日本史、世界史、地理で紹介)「マドンナ古文単語230」といった20年以上にわたって受験生に愛されてきた定番本もちらほら。「いい参考書は先輩から後輩に口コミで引き継がれる。長く使われている本は、基本的に良著と考えていい」という指摘に納得だ。

 とにかく著者の叱咤激励に、なんだか自分にもできる気がしてくる不思議なパワーを秘めた本。何をどうすればいいのやら…自信がない…そんな弱気はさっさとこの本で切り替えて、アツい夏をのりきろう!

文=荒井理恵