読書量を実践力に変える!「ハーバード式10冊読書術」って?

ビジネス

2017/8/30


 ハーバード大学のビジネススクールには世界中から優秀な人材が集まる。そこに通うエリートたちは、さぞかし読書家なのだろうと思いきや、彼らはほとんど本を読まないのだという。それなのに何故、世界トップレベルの実績を残せるのか。

 『世界のエリートは10冊しか本を読まない』(鳩山玲人/SBクリエイティブ)は、サンリオのCEOを務め時価総額を7倍に引き上げた著者が、ハーバードのビジネススクールに2年間留学した経験から学んだ「ハーバード式10冊読書術」を紹介している。

 曰く、ビジネスで結果を出すには、たった10冊読むだけでいいというのだ。果たしてそれはどんなものなのか。

■ハーバードは超実践主義

 まずハーバードのビジネススクールでは、教科書を読むことはしないという。実際の企業が直面した課題を挙げて解決策を議論する、「ケース・メソッド(事例研究)」という講義を行っている。経営戦略に関する理論や知識は、本を読んだり、話を聞いたりするだけでは身につかない。2年間で500以上の事例を扱うことで実践力を磨き上げるという教育方針だ。学生たちにとって読書とは、知識や教養を蓄えるものではなく、あくまでも課題解決の処方箋なのだ。

 わかりやすくいえば、ダイエット本を買って読んだだけでは痩せない。痩せるためには、本の内容を実践する必要があるというわけである。

■ハーバード式10冊読書術の6の基準

 「ハーバード式10冊読書術」は思いのほか、シンプルだ。いまの自分が読むべき本を10冊に絞り、いつも手元やデスクに置いて必要なときに読むだけである。資格取得を目指しているなら、資格の参考書。職場の人間関係に悩んでいたら、コミュニケーションの本と、自分が直面している課題の解決に役に立つ本を選ぶのだ。しかし、同じテーマやジャンルの本に限っても数多く出版されている。自分にあった本を選ぶために、著者は6つの基準を挙げている。

(1)「はじめに」と「おわりに」を味見する
(2)「教授」で選ぶ
(3)「注目している人」の読んでいる本を選ぶ

 まず本の「前書き」「後書き」を試し読みしてみて読みやすいかどうか、続けて本文を読んでみたくなるかどうかをチェックする。さらに著者が研究成果を残している研究者であれば、内容に信頼がおける。または自分が尊敬している経営者や、注目を集めている人の愛読書にも、その人をそこまで押し上げた理由が隠されているだろう。

(4)「社会人向け公開講座」の推薦図書から選ぶ
(5)「図」や「表」のあるもの
(6)「書店ランキング」から選ぶ

 社会人向けのビジネスセミナーなどで紹介している推薦図書は、授業の理解を深めてくれる。専門的な概念を説明するには文章だけよりも図解が多い本のほうがわかりやすい。そして時代のトレンドを知るためにも2~3冊は書店で売れているベストセラーを読んでみるべきだと訴えている。

 読書術というと読書量や速読にとらわれてしまうが、大切なのは自分にとって必要な部分だけを読み取り、無用なところは読み飛ばす技術だという。読書の目的は課題を解決することであって、最初から最後まで読破する必要はないのだ。

 楽しみのための読書を否定しているわけではない。むしろ学習の時間の無駄がなくなることで家族と過ごしたり、遊興にあてる時間を増やせたりするだろう。日々、仕事に追われる現代のビジネスマンには必須の読書術といえるのかもしれない。

文=愛咲優詩