『ゴールデンカムイ』も!? 「大人&子供コンビの漫画は名作」の法則を検証してみた!

アニメ・マンガ

2017/9/23

 ヒットする漫画の法則については、古今東西、様々なところで語られてきました。売れている作品には必ず剣士が登場している、Wヒロインである、タイトルに「ん」が入っている……などなど。今回ご紹介するのは、その中の一つ「大人&子供のコンビが活躍する漫画は、名作が多い」の法則です。

 歳の差というのは、人物間における最もわかりやすい“壁”の一つ。それが大人と子供である場合、すれ違いや、葛藤、価値観の違いが当然生じます。それに伴い、発見や閃きも生まれるので、作品がうまい具合に回転し、名作に成長していくというわけです。

■『ゴールデンカムイ』:普通に暮らしていたら出会わなかった2人の末路は?

 TVアニメ化が決定し、人気沸騰中の『ゴールデンカムイ』も、大人&子供コンビの作品です。舞台は、開拓時代の北海道。元陸軍兵の杉元(推定年齢20代)と、アイヌの少女アシリパ(推定年齢10代前半 ※作中で名前の「リ」は小字)が、一攫千金を狙って旅するアドベンチャー漫画です。

 異なる文化のもとに育ち、食生活も暮らし方も信仰も、何もかもが違う杉元とアシリパ。普通に暮らしていたら、出会うことすらなかった2人が、金塊を探すという目的のため、行動をともにするようになります。恐らく10歳以上年の離れた2人ですが、お互いを相棒と呼び、あらゆる窮地を見事なコンビネーションで乗り越えていきます。

 しかし、杉元は、必要に迫られれば、躊躇なく人を傷つけたり、殺したりする元軍人。一方、アシリパは、どんな理由があっても人を殺すことはいけないことだと主張します。この部分においては、真っ向から対立する2人。物語が進むにつれ、いずれ価値観のズレが大きなひずみを生むのでは……という気がしてなりません。2人の間に恋愛に発展するような描写は今のところありませんが、杉元に女の影がちらつくたびに、動揺するアシリパが、ひたすら可愛いです。

■『ばらかもん』:子供と接することで、心が浄化される大人たち

 一方、思い切り歳の差を感じさせてくれるのが、『ばらかもん』。23歳の若き書道家・半田は、作品にケチをつけられたことに腹を立て、暴力沙汰を起こしてしまいます。問題を重く見た実父により、半田は長崎県の五島列島へと送り込まれることに。移住した直後は、周囲とのコミュニケーションを頑なに拒んでいた半田ですが、愉快な島民たちに翻弄され、徐々に打ち解けていくようになります。

 島民の中でも一番に半田を困らせたのが、小学1年生の琴石なる。出会った瞬間から果敢に半田に歩み寄っていきます。最初こそ大人としての態度を取ろうと思っていた半田も、いつの間にか自由奔放ななるのペースに引き込まれていき、本音を引き出されてしまうのです。純真な子供と、荒んだ心を持つ大人がコンビを組めば、面白いことしか起きらないということを思い知らせてくれる作品です。悪人が登場しないというのもまた、この作品を名作たらしめている理由なのだと思います。

■『ヒナまつり』:ヤクザが20歳年下女子に振り回される?

 ややバイオレンスな関係を楽しみたいなら、『ヒナまつり』。若手ヤクザの新田(推定年齢30代)の家に、ある日突然現れた不思議な少女・ヒナ(推定年齢10代半ば)。追い出そうとする新田を、不思議な超能力でねじ伏せます。その日から、新田とヒナのドタバタな日常生活が始まっていくという、ギャグ漫画です。

 強制的に世話係になってしまった新田ですが、ヒナにご飯を食べさせたり、学校に行かせたりと、意外な面倒見の良さを披露。ヤクザとして大成することを夢見る新田がヒナに振り回されることで変化していく様子に心が和みます。また、基本的に非常識で迷惑をかけまくるヒナも、意外と常識的な新田に素直に従うようになるなど、歳の差による価値観の違いが、お互いを成長させるきっかけになっているのです。ちなみにこの作品、来年春にアニメ化が決定。動く新田とヒナを見るのが今から楽しみです。

 ほかにも『からくりサーカス』や『アイアムアヒーロー』、『うさぎドロップ』など、大人&子供コンビの名作はまだまだあります。名作に出会いたいときは、この法則をヒントにしてみるのはいかがでしょうか。

文=中村未来(清談社)