「通販サイトの闇」やらせレビューはどうして無くならない?

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公開日:2021/2/3

「通販サイトの闇」やらせレビューはどうして無くならない?

 以前から問題になっているネット通販のやらせレビュー。星5がついている商品を購入しても不良品が送られてくるなど多くの人が被害にあっていますが、どのような人たちがレビューを書いているのでしょうか。

やらせレビューが投稿される仕組み

 2019年10月に放送された『クローズアップ現代+』(NHK)では、大手通販サイトなどに投稿されているやらせレビューを徹底追跡。

 実際にやらせレビューを書いた男性に取材したところ、SNS上でレビューの募集が行われていると証言していました。男性はSNS上で依頼を受け、高い評価のレビューを書くことで報酬をもらっていたそうです。

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 さらに元をだどっていくと、レビューの募集をかけていたのは「仲介業者」を名乗る人物。彼らは通販サイトに商品を出品する企業などから依頼を受け、書き手を集めるのが仕事だといいます。

 つまりやらせレビューの仕組みは、「出品者→仲介業者→書き手」という構造になっているとのこと。そして大元である出品者の情報を調べると、ほとんどが中国のシリコンバレーとも呼ばれる地域を住所として登録していました。

 実際に取材班は、中国でモバイルバッテリーを扱っている企業を突撃。取材班の「やらせレビューをしていますか?」という質問に、従業員は「正直に言いますが、少ししかしていません。仲介企業を使っているような大企業もあるかもしれませんが、私たちは小規模にやっているだけです」と認めています。

やらせレビューはどうして無くならない?

 実際に大手通販サイトのガイドラインを見てみると、「対価(無料または割引商品を含む)と引き換えるため、または他の人に代わって投稿する」「対価(無料または割引商品)と引き換えることを条件に投稿を依頼する」といった行為は明確に禁止している模様。

 しかし業者ぐるみのやらせレビューは後を絶たず、ネット上では「業者ばっかりでレビューが全然信用できない」「全然商品と関係ないレビューが書かれていて笑った。これで報酬貰えるのか」といった声が上がっていました。

 また「星1のレビューを書いたら、業者から『取り消せ』とのメールがきた」という証言も。高評価なやらせレビューを依頼するだけでなく、一般ユーザーがつけた低評価レビューを削除させるケースもあるそうです。

 サイト全体の信用も揺るがしかねないレビュー操作ですが、なぜ一向に無くならないのでしょうか。

『クローズアップ現代+』によると、日本ではレビューを規制する法律がまだ整備されていない模様。虚偽のレビューを書かせる行為は「景品表示法違反」にあたる可能性があるのですが、海外に比べるとまだまだ不十分だといいます。

「通販サイトの闇」などとも言われている、やらせばかりのレビュー欄。消費者側としては、良品をしっかり見抜くためのセンスが必要なのかもしれません。