「帯広食べ歩きまち株式会社」設立および増資のお知らせ
十勝シティデザイン株式会社
公開日:2025/4/22
地域のプレイヤーが手を取り合い、帯広中心市街地がいま、動き出す
まちなかを歩いて、食べて、語り合う。そんな「帯広・十勝らしさ」に満ちた未来のまちづくりプロジェクトが、いよいよ始動します。
十勝シティデザイン株式会社(代表取締役:坂口琴美)は、2025年4月8日付で、全額出資子会社「帯広食べ歩きまち株式会社」を設立いたしました。本事業は2025年5月より本格始動し、観光・食・文化・情報通信/AIなど、多様な地域事業者等との協働を一層推進してまいります。その一環として、5月30日付で第三者割当増資を実施し、増資後の資本金は2,000万円となる予定です。
まち全体を“面”として再編集する幹事型まちづくり会社として、「食べ歩きまち」の実装をさらに前進させ、2025年6月には「帯広食べ歩きまちコンソーシアム」を立ち上げ、より広範な地域関係者との連携体制を強化してまいります。
設立の背景とビジョン帯広中心市街地は、交通・行政・宿泊といった都市機能が集積する十勝の心臓部でありながら、郊外化や人口減少の影響を受け、長年にわたり空洞化が進行してきました。2023年には、創業120年を超える地域の象徴的存在であった藤丸百貨店が閉店し、その姿をまちなかから消しました。
一方で、まちの再生に向けた民間の挑戦は、着実に“点”として芽吹き始めています。新藤丸百貨店の再建に向けた藤丸㈱・㈱そらの取り組み、HOTEL NUPKAを起点とする馬車BARやナイトタイムツーリズムの実践、ふく井ホテルによるモール温泉を活かした事業創出など、“点”としての民間の挑戦が、まちの変化を生み出し始めています。
こうした多様な動きを“面”として束ね、地域の可能性を最大限に引き出すまちの再構築モデルとして描かれたのが、「帯広食べ歩きまち構想」です。本構想は、帯広中心市街地にとどまらず、大樹町の宇宙港(北海道スペースポート)や、十勝全域における農業の高付加価値化といった広域的なテーマとも接続しています。都市と農村、テクノロジーと暮らし、地域と都市部の人の流れをつなぐ、“新しい地方都市モデル”の実装を目指しています。
目指す都市像と5つの事業領域「帯広食べ歩きまち」が目指すのは、歩いて楽しく、食と人と文化に出会えるまちなかです。十勝の農業の強みを活かした食体験や、馬文化、モール温泉・サウナ、ナイトタイムエコノミー、そして回遊性のあるまちの構造など――。
帯広・十勝ならではの地域資源を活かしながら、「観光」「暮らし」「商業」「地域の誇り」が自然に交差する、新しいまちの姿を描いていきます。私たちは、地域の未来を日常から感じられる場所としての“帯広らしい都市像”の実現を目指し、その構想を現実化するために、帯広食べ歩きまち株式会社として以下の5つの戦略事業を展開してまいります。
1. 観光開発事業歩いて楽しむ体験型観光として、まちなかを巡る「食べ歩きツアー」、まちから出発して十勝の郊外をガイドとともに巡る「バスツアー」、自分のペースで楽しめる「セルフツアーアプリ」などを展開します。まちなかに訪れる人の流れと滞在時間を増やし、地域のにぎわいと回遊性を高めていきます。2. エリアマネジメント事業歩行者中心の空間整備や公的空間の再活用、滞在価値を高めるモビリティ連携、遊休建物のリノベーションなどを通じて、観光客や関係人口が「歩いて楽しく」「もっと滞在したくなる」まちの環境を整備します。結果として、不動産需要の創出や都市居住への誘導にもつながる、持続可能なエリア基盤を形成していきます。
3. 観光統合型地域商社事業「人が来て、モノが出る。モノが出て、人が来る。」——その循環を生み出す仕組みとして、訪れた人の共感をベースに、地域産品を物語性とともに販売・流通させます。滞在体験から生まれる愛着を購買行動につなげ、エリアブランドを国内外へ“輸出”する持続的なモデルを構築していきます。さらに、都市圏でのマルシェ開催や飲食店との連携企画も展開し、まち全体が“旅の続きを生む”共感拠点となることを目指します
4. エリアプロモーション事業SNS、都市圏メディア、デジタル広告を活用し、帯広・十勝の魅力を都市部や海外に向けて戦略的に発信。観光と地域産品を一体化した地域発の統合ブランドとしての認知を高め、商流と人流の双方を地域にもたらすプロモーションを展開します。さらに、デジタルとAIの力を活かし、「十勝を世界中のスマホへ」届ける情報発信モデルを構築。地域の魅力がグローバルに循環する仕組みを広げていきます。
5. データマネジメント事業観光・消費・滞在・回遊など、まちを訪れる人々の行動データを収集・分析し、すべての事業の取組とその成果を“見える化”します。可視化されたデータは地域内で共有し、課題や気づきを分かち合うことで、新たに挑戦する仲間を増やしていきます。戦略の見直しや施策の最適化を重ねながら、持続的に“まちの価値”を磨き上げていく循環的なPDCAモデルを構築します。
経営体制と出資企業
代表取締役には、十勝シティデザイン㈱およびHOTEL NUPKAの創業者である柏尾哲哉が就任。増資に伴い、社外取締役として、株式会社そら 取締役副社長の山中良助氏、およびクナウパブリッシング株式会社 副社長の田中良治氏が就任予定です。観光・温泉・カルチャーなどの第一線で活躍する地域プレイヤーが結集し、“まちをつくる”経営体制を整えています。
また、第1回増資においては、飲食・宿泊・流通・建設・金融・メディアなど、地域の中核企業(※別紙参照)が出資を予定しており、まちづくりの多様性と連携の強さを兼ね備えた体制となっています。
今後の展開と広がる連携2025年5月以降は、観光関連事業の実装を皮切りに、エリアマネジメント、プロモーション、データ連携といった各事業を段階的に推進していきます。
さらに6月には、「帯広食べ歩きまちコンソーシアム(協議会)」(仮称)の第1回会合を開催予定です。行政・教育・交通・文化・市民団体など多様な主体を巻き込みながら、“面”としてのまちづくりを地域全体で加速させ、持続的で重層的な連携体制の構築を目指します。
お問い合わせ先十勝シティデザイン株式会社/帯広食べ歩きまち株式会社
メール:foodwalk@nupka.jp
(ご取材・ご質問等は上記メールアドレスまでお気軽にご連絡ください)
別紙:出資企業一覧(第1回増資)
帯広食べ歩きまち株式会社 第1回第三者割当増資における出資企業一覧(予定、五十音順)