新刊書籍『Apple IIは何を変えたのか』発売！知られざるコンピュータ革命の裏側を明らかにするヒストリー。

福村出版株式会社

更新日：2025/4/25

豊富な文献と証言に基づき描かれる、ソフトウェア業界勃興期のドラマ。

福村出版株式会社（東京都中央区、代表取締役社長：宮下基幸）は、来る4月28日（月）に、新刊書籍『Apple IIは何を変えたのか─パーソナル・ソフトウェア市場の誕生』を発売いたします。1970年代に発売され、アップル社の繁栄の礎を築いたパーソナルコンピュータ、Apple II（アップル・ツー）の歴史と、Apple IIの普及とともに生まれた個人向けソフトウェア産業の誕生の様子を、豊富な文献調査とインタビューに基づき明らかにします。コンピュータ・IT史、アップル社の歴史と製品に興味を持つ人々にアピールする一冊です。

　1977年の発売からもうすぐ50年、現在のアップル社の繁栄の礎を築いたパーソナルコンピュータ、Apple II。しかし現在、アップル社のサイトを検索しても、Apple IIの情報はほとんど出てきません。それは「アップルコンピュータ社」が「アップル社」に改名する際に、「コンピュータ」の文字と一緒に忘れ去られてしまったかのように見えます。
　本書『Apple IIは何を変えたのか』は、Apple IIが切り拓いたパーソナルコンピュータ文化の黎明期を、気鋭の若手歴史家が当事者30名を超えるインタビューと文献調査に基づいて丹念に検証した一冊です。
　本書は神格視されたスティーブ・ウォズニアックやジョブズだけでなく、周辺企業やユーザーコミュニティ、ソフトウェアビジネスの勃興にも焦点を当て、当時の産業構造や社会背景を多角的に描き出しています。黎明期の“ドラマ”を振り返ることで、現代のIT社会へと連なる基盤がいかに形成されたかを深く理解できるでしょう。コンピュータ史やビジネス史への関心を持つ層だけでなく、一般読者にも新鮮な発見をもたらすはずです。
　翻訳は当代随一の実力派翻訳家、山形浩生氏。初期コンピュータ文化を知り尽くした山形氏の手腕により、パーソナルコンピュータ文化誕生の瞬間が、いきいきとよみがえります。

概要

書名　　　　　　Apple IIは何を変えたのか──パーソナル・ソフトウェア市場の誕生
著者　　　　　　レイン・ヌーニー
訳者　　　　　　山形浩生
判型・ページ数　A5判並製350ページ（カラー16ページ＋モノクロ334ページ）
定価　　　　　　本体4,800円＋税（税込5,280円）
ISBN　　　　　　978-4-571-41080-2
発行　　　　　　福村出版株式会社

著者

レイン・ヌーニー（Laine Nooney）
ニューヨーク大学スタインハート文科教育大学院メディア・カルチャー・コミュニケーション学科准教授。ビデオゲームおよびコンピュータ産業の歴史的・文化的・経済的分析を専門とする。

訳者

山形浩生（やまがた・ひろお）
評論家、翻訳家、開発コンサルタント。開発援助関連調査のかたわら、経済、環境問題からSFまで幅広い分野での翻訳と執筆を行う。東京大学大学院工学系研究科都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。著書に『新教養主義宣言』『要するに』（共に河出書房新社）、『コンピュータのきもち──新教養としてのパソコン入門』（アスキー）、『経済のトリセツ』（亜紀書房）など。訳書にピケティ『21世紀の資本』（みすず書房）、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』（筑摩書房）、オーウェル『一九八四』（星海社）ほか多数。

はじめに
第1章　パーソナル前史
第2章　Apple IIを育てる
第3章　ビジネス──VisiCalc
第4章　ゲーム──Mystery House
第5章　ユーティリティ──Locksmith
第6章　家庭──The Print Shop
第7章　教育──Snooper Troops
未結論
エピローグ──委託販売フロアにて
訳者あとがき

要約

　本書は、1970〜80年代の米国でアップルIIがいかにして個人用コンピュータとサードパーティー製ソフトウェア市場を誕生させたかを、技術史・産業史・文化史の三層から描きます。ウォズニアックの設計思想とジョブズの商才を核に、拡張性の高いハードが熱狂的ユーザーと開発者を呼び込み、ビジネス用途のVisiCalc、ゲームのMystery House、複製ツールLocksmith、家庭向けThe Print Shop、教育ソフトSnooper Troopsという五大事例を通じて「何のためにコンピュータを使うのか」という問いへの多様な回答を示します。膨大な一次資料とインタビューを通じて、投資家・流通・メディアが交錯した勃興期のエコシステムを活写し、Mac以前に築かれながら正史で埋もれた革新の真価を掘り起こします。若手研究者による斬新な視点が、ノスタルジーに留まらない批判的考察を加え、現代のIT産業を読み解く鍵を提供します。

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