【ハラルビジネス実践企業インタビュー】─ 食の多様性と人手不足、その両方を「湯煎」で救う「Grino」の力 ─
一般社団法人ハラル・ジャパン協会
公開日:2025/5/8
訪日観光客が年間3,687万人を超える中、多くの宿泊・飲食業界では人手不足と多様な食ニーズへの対応が深刻な課題となっています。ヴィーガンやハラル、アレルギー対応といった「食の多様性」への配慮が求められる一方、現場のオペレーション負担や人件費の高騰が経営全体にも大きな影響を及ぼしつつあります。
こうした中、調理済み冷凍食品という革新的な手法で課題を解決する「Grino(グリノ)」に注目が集まっています。今回は、その開発元であるRed Yellow And Green株式会社代表・細井優氏に話を伺いました。
Q1. Grinoとは、どのようなサービスですか?細井氏:Grinoは、誰でも簡単に、すべてのお客様へ食事を提供できるようにすることで、飲食店のオペレーション効率化と省人化を実現する、調理済み冷凍食品です。
特徴は、湯煎のみというシンプルな調理法と、ヴィーガン基準の「ユニバーサルレシピ」です。これにより、調理経験や専門知識がないスタッフでも、食事制限があるお客様を含め、どなたに対しても同じ手順で、迅速かつ高品質な食事を提供できます。
私たちは、「多様な食事への対応そのものに特化する」というより、この仕組みを通じて「食に関わるすべての人手や手間の削減」を目指しています。こういった準備をすることが、深刻化する人手不足やスタッフのスキルへの依存といった課題を解決し、今後さらに増加が見込まれるインバウンド需要など、変化する市場への対応力を高めることにつながると考えています。