千葉県内を走る〈久留里線〉を舞台にした、涙腺を刺激する小説『くるり駅でさよならを』――あの日「さよなら」を言えなかった、すべての人へ。

株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン

公開日:2025/7/15

株式会社ハーパーコリンズ・ジャパンは2025年7月15日、エンタメ文庫レーベル〈ハーパーBOOKS+〉より『くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町』(高橋由太 著)を発売します。

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そのうちまた会える――そう思って別れたその瞬間が、相手との永遠の別れになることも。本作『くるり駅でさよならを』に出てくるのはそんな風にして「さよなら」も告げられないまま大切な誰かと二度と会えなくなり、前に進めずにいるひとたち。初恋の人、最愛の母親、大好きな飼い主――さまざまな形で「別れ」を経験した彼らの、心の再生を描きます。

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舞台となるのは千葉県内を走る久留里線。ふらりとその電車に乗ると、ときおり、一匹の白黒の猫とでくわすことが。その猫について電車を降りると、そこは路線図には載っていない「くるり」という駅。改札を出たさきには、二度と会えないはずの人が待っていて……。



「気づかないうちに、人はいくつもの別れの瞬間を通り過ぎていっているのかもしれない。もう二度と会えない、これで最後だ、と思いながら、さよならの言葉を口にすることはないのだろう。いつの間にか、永遠に会えなくなっている(本文より)」



さよなら、と告げられないまま会えなくなる。生きていくなかでそういった別れは、誰しもが経験するものなのかもしれません。その悲しみ、つらさに寄り添い、そっと心のこわばりをほどいてくれるような作品です。また、久留里線をはじめとする君津市のあたたかな風景がふんだんに描かれている点も魅力。この夏、ぜひ手にとってみていただきたい一冊です。