「二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)の世界市場2025-2032」調査資料を販売開始

株式会社マーケットリサーチセンター

公開日:2025/7/28

(株)マーケットリサーチセンタ-(本社:東京都港区、グローバル調査資料販売)では、「二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)の世界市場2025-2032:製品種類別、エンドユーザー別、地域別」調査資料の販売を2025年7月28日に開始いたしました。世界の二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場規模(国内市場規模を含む)、動向、予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■レポート概要
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本調査レポートでは、世界の二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場を2025年から2032年までの期間で多面的に分析しています。2025年の全球市場規模は約150億米ドルと推定され、化石燃料火力発電所や製鉄・セメント製造など主要産業からの排出抑制ニーズの高まりにより、2032年には約290億米ドルに成長すると予測しています。予測期間中の年平均成長率(CAGR)は約9.5%前後で推移し、政策支援や炭素価格の上昇、コスト低減技術の実用化が市場拡大を後押しする主要なドライバーとなります。
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市場ダイナミクス
CCUS市場は、地球温暖化対策として国際的に合意されたパリ協定の目標達成に不可欠な技術群として位置づけられています。主要ダイナミクスとしては、政策的支援の強化、排出削減義務や炭素税・排出権取引の導入による経済的誘因、技術開発コストの低減、そしてプロジェクトの商業化・スケールアップが挙げられます。特に、欧州連合や米国、オーストラリアなどでは大規模CCUSインフラ整備に向けた公的補助金や税制優遇措置が充実しており、2025年以降のパイロットプラントから商業プラントへの移行が加速しています。また、排出源に近接した貯留サイト選定やパイプラインネットワーク構築の進展が、プロジェクト採算性を高める鍵となっています。
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地域別展望
北米市場では、米国カリフォルニア州やテキサス州を中心に、石油・ガス田を利用した地下貯留プロジェクトが先行しています。連邦政府の45Q税額控除制度や州レベルの炭素市場と連携し、商業化プロジェクト数が増加傾向にあります。カナダではオイルサンド製油所向けのパイロットプラントが稼働中で、2025年には世界最大級の捕集能力を誇る事業が本格稼働する予定です。
欧州市場では、EUグリーンディールに基づく2050年カーボンニュートラル目標に連動して、製鉄・化学プラントでのCCUS導入計画が急増しています。特に北海油田周辺の海底貯留活用を目指す国際協力プロジェクトが進行中で、複数国間でパイプライン網を共有するコンソーシアムが結成されています。
アジア太平洋市場では、中国・インド・日本が主要な成長国となります。中国は国家レベルでCCUSロードマップを策定し、石炭火力発電所向けの大型デモ事業を推進中です。インドではセメント産業向けのCO₂回収プロジェクトが増加し、政府補助を活用した実証実験が複数立ち上がっています。日本は既存の化学プラントでの実証実験を中心に、将来的には共同貯留拠点の整備による複数事業者の協調モデルを模索しています。
**その他地域(中東・アフリカ、ラテンアメリカ)**では、油田開発と結びついたCCUS活用が主体です。中東では産油国の収益多角化策として、油田の増進回収(EOR)技術とCCUSを組み合わせた大規模プロジェクトが議論されており、2030年代に向けた実装計画が進展しています。
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技術別分析
CCUS技術は大きく「前燃焼捕集」「後燃焼捕集」「酸素燃焼」「直接空気回収(DAC)」の4つに分類されます。
後燃焼捕集は既存火力発電所や工業プラントへの適用が容易であり、MEA(モノエタノールアミン)吸収法を中心とした化学吸収法が市場の大半を占めています。コスト低減のための溶媒改良やプロセス最適化が活発に行われています。
前燃焼捕集はガス化プラント向けのガス転換後にCO₂を分離するプロセスで、高純度回収が可能ですが、プラント構造の大規模化が障壁となります。
酸素燃焼は燃焼ガスを高濃度CO₂で排出する方式で、ガス分離工程の簡素化が利点ですが、大量の酸素製造コストをいかに下げるかが課題です。
**直接空気回収(DAC)**は大気中CO₂を捕集する革新的技術で、グリーン水素やカーボンネガティブ燃料の原料としての需要創出が期待されています。多種多様な吸着材や膜分離技術が提案されており、特に北米や欧州でのフィールドデモが進行中です。
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エンドユーザー別分析
発電セクターでは、石炭火力・天然ガスコンバインドサイクル(CC)プラント向けの後燃焼捕集技術が主要採用先です。一定規模以上のプラントに対してはCO₂排出量に応じた経済的インセンティブが設けられるケースが増えています。
産業プロセスセクターでは、製鉄・製鋼、セメント、化学薬品、石油精製など高温プロセスを伴う業種で前燃焼・後燃焼の両捕集技術が併用され、製品グレードの炭酸化合物(炭酸ソーダ、メタノール合成原料など)への有効利用が進んでいます。特にメタノールや尿素製造へのCO₂再利用プロジェクトが実証段階を抜けつつあります。
直接空気回収(DAC)・大気除去向けは、新たなセグメントとして成長しており、航空燃料や合成燃料の炭素補填源としての活用検討が活発化しています。
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競争環境と主要プレーヤー
世界CCUS市場では、大手エンジニアリング企業およびエネルギー企業が主導しています。中でも、エクソンモービル、シェル、BP、トタルエナジーズなどが大規模プロジェクトの開発から運営までを手掛け、技術ベンダーとしてはアジミウム、シノプス、MHIエンジニアリング、ACI、フラックスといった企業がキャプチャ技術を提供しています。さらに、新興ベンチャー企業が直接空気回収や高効率吸着材の開発競争を繰り広げており、オープンイノベーションや共同研究が活発化しています。
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技術動向とイノベーション
最近の注目動向として、AI/機械学習を活用したプロセス最適化、高性能吸着材・溶媒の開発、モジュール化・小型化ユニットの実用化があります。特にモジュール型捕集装置は現場での迅速設置を可能にし、スケールアップの柔軟性を提供します。加えて、パイプラインや船舶による大規模CO₂輸送インフラの整備と組み合わせたサプライチェーン最適化も、産業横断的に重要視されています。
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成長要因と阻害要因
成長要因としては、各国の脱炭素政策強化、炭素価格の上昇、投融資市場におけるグリーンファイナンスの拡大が挙げられます。また、プロジェクトスケールの拡大による学習効果でコストが低減し、経済性が向上するサイクルが期待されます。一方、阻害要因は、初期投資額の大きさ、長期的な事業採算確保の不透明性、地層貯留に伴う法規制や安全性リスクへの懸念、そして技術成熟度の相違が地域ごとの普及格差を生む可能性です。
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今後の展望と予測
評価期間中、市場は年平均約9.5%の堅調な成長を維持し、2032年には約290億米ドル規模に拡大すると予測されます。今後は、大規模商業プラントの稼働本格化、国際共同プロジェクトの拡充、CCUSとバイオ炭素ニュートラル燃料の融合など、技術とビジネスモデルの多様化が加速するでしょう。特にDAC技術のコスト競争力向上と、貯留サイト・輸送インフラの整備進展が、市場の次なる成長フェーズを形成する鍵となります。

■目次
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はじめに
 1.1 調査の背景と目的
 1.2 CCUSの定義と範囲
 1.3 調査ベースイヤーおよび分析期間(2025年〜2032年)
 1.4 対象領域(サービス区分/技術区分/エンドユーザー/地域)
 1.5 調査方法(一次・二次情報収集、予測モデル、分析手法)
 1.6 前提条件および調査制約
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エグゼクティブ・サマリー
 2.1 世界CCUS市場の現況と主要概況
 2.2 市場規模の推移および今後の予測(数量・金額ベース)
 2.3 技術別・サービス別・用途別の重要な傾向
 2.4 地域別成長見通しと市場魅力度分析
 2.5 戦略的視点から見た市場機会の概観
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市場動向と成長要因
 3.1 政策支援と補助制度の影響
 3.2 企業における温室効果ガス削減ニーズの高まり
 3.3 成長を阻む要因(高コスト、技術リスク、社会的受容性など)
 3.4 エネルギー転換と脱炭素化の中でのCCUSの役割
 3.5 技術革新(吸収材、膜分離、DACなど)の進展
 3.6 環境・安全性・規制に関する現状と展望
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サービス区分別市場分析
 4.1 回収サービスの分類と需要分析
 4.2 有効利用サービスの用途別動向
 4.3 貯留サービスの地理的適性と技術構造
 4.4 各サービス区分の市場シェアおよび予測
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技術別市場分析
 5.1 ポストコンバッション(燃焼後回収)技術
 5.2 プリコンバッション(燃焼前回収)技術
 5.3 オキシ燃焼技術
 5.4 ダイレクトエアキャプチャー(DAC)技術
 5.5 吸着材・膜分離・鉱物化技術の動向
 5.6 技術ごとのコスト構造と実用化ステージ
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用途別市場分析(エンドユーザー)
 6.1 発電分野(火力発電など)での活用状況
 6.2 石油・ガス産業におけるCCUS導入とEOR利用
 6.3 セメント・鉄鋼・化学産業でのCO₂排出削減策
 6.4 農業・温室利用等における循環活用
 6.5 合成燃料・バイオ燃料・建材原料など新興用途
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地域別市場分析
 7.1 北米:政策インセンティブと商業化の進展
 7.2 欧州:脱炭素ロードマップとクラスター構想の展開
 7.3 アジア太平洋:成長市場としてのポテンシャルと技術導入例
 7.4 中南米:産業利用と地質的適性による展望
 7.5 中東・アフリカ:EOR需要と地中貯留の可能性
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競合環境および企業プロファイル
 8.1 主なグローバル企業の市場シェアとポジション
 8.2 主要企業の製品・サービス戦略
 8.3 研究開発・パートナーシップ・M&A動向
 8.4 サービスの差別化要素と導入事例
 8.5 新規参入企業・スタートアップの台頭
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SWOTおよびPEST分析
 9.1 SWOT分析
  – 強み:脱炭素への貢献性、実証済み技術の存在
  – 弱み:高コスト、インフラ整備の遅れ
  – 機会:政策支援、DACなど新技術の商用化
  – 脅威:規制の不確実性、競合技術の進展
 9.2 PEST分析
  – 政治:排出規制、炭素税、CCUS補助政策
  – 経済:エネルギー価格変動、設備投資負担
  – 社会:環境意識、住民合意形成の課題
  – 技術:回収・輸送・貯留の一体最適化
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市場予測と将来展望
 10.1 世界市場の金額・数量ベース予測(2025〜2032年)
 10.2 サービス別・技術別・用途別の成長予測
 10.3 地域別の中長期展望と注目市場
 10.4 技術進展および政策動向によるシナリオ分析
 10.5 市場導入加速に向けた課題と今後の注目動向
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付録および調査手法
 11.1 用語・略語の定義
 11.2 表・図の一覧
 11.3 調査アプローチと情報源の構成
 11.4 モデルと分析フレームワーク(CAGR、回帰分析など)
 11.5 免責事項および報告上の留意点
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■レポートの詳細内容・販売サイト
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