80年のヒロシマの火、気仙沼にて
特定非営利活動法人RAY of HOPE
公開日:2025/8/1
―震災の地で灯る“あの日の火”。命と平和に向き合う夏―
戦後80年。被爆地・広島の“残り火”が、東北の地、気仙沼に灯されています。
2025年7月9日、福岡県八女市星野村で守り継がれてきた「平和の火」が、ハッキンカイロに移され、 宮城県気仙沼市の「森のコテージ」に運ばれました。
この火は、8月15日まで一般公開されており、 誰もが無料でその灯りを見つめることができます。
原爆、戦争、そして震災。時代も出来事も異なる3つの「命の喪失」をつなぐ“火”が、今、静かに燃えています。
◆ 「平和の火」とは
今回気仙沼に届けられた「平和の火」は、福岡県八女市星野村にて灯され続けている、広島原爆の残り火です。 この火は、1945年8月6日、広島に投下された原爆によって起きた炎の一部を、 当時、故・山本達雄さんが広島市内のおじさんの自宅跡から持ち帰り、消さずに保存したことに由来します。 その火は後に星野村に移され、「平和の火」として、村の「平和の塔」で現在まで守られ続けています。
◆ なぜこの火を継ぐのか
「平和の火」は、単なる象徴ではなく、実際に戦争で生まれた炎が、平和を願う灯へと転化されたものです。 戦争で奪われた命の記憶とともに、その火は、今を生きる私たちが「何を選び、どう生きるか」を 静かに問いかけ続けています。 今回のプロジェクトは、この火を八女市星野村から採火し、気仙沼まで運び、 震災と原爆——異なる形で命を奪われた2つの記憶を重ねて見つめる試みです。
◆ プロジェクトの特徴
火は金属製の「ハッキンカイロ」で運搬、気仙沼ではランタンとカイロで厳重に管理 宿泊者に限らず、一般の方も無料で観覧可能 政治的利用を避け、「個人が平和を考える空間」として提供
◆ 今後の展望
この火を「一地域のイベント」にとどめず、学校や地域団体でも活用できるよう展開を目指しています。 「線香花火ナイト」はその第一歩として、全国での開催を見据えたモデル事業でもあります。