日本のニーズに合わせたNAVITIMEのアプリが強いナビアプリ、ヤフーカーナビは「推しドラ」で収益2倍近くに
Sensor Tower
公開日:2025/10/7
カーナビはディーラーやカー用品店で専用機を取り付けることが一般的でしたが、現代ではモバイルアプリが充実しており、その精度も向上しています。また、ユニークな特色を備えたナビゲーションアプリが各社から市場に投入されています。本稿では、日本のニーズに合わせたナビゲーションアプリの動向を探ります。
あらゆる指標でNAVITIMEのアプリが際立つ、日本のニーズに合わせたアプリ投入がカギモバイル端末の高機能化や大画面化に合わせて、市場に投入されるナビゲーションアプリの種類も豊富になってきています。取り付けに特別な機材や技術も必要なく、車や電車から降りてて徒歩移動にも使用できるナビゲーションアプリは、なくてはならないものになりつつあります。
Sensor Towerのデータによると、日本における直近3年間のナビゲーションアプリ(カテゴリ:ナビゲーション、App IQ:Navigation & Maps)のダウンロード数では、『Google マップ』(Google)が1,300万以上を記録してトップとなっています。2位の『NAVITIME』(NAVITIME JAPAN)に2倍以上の差をつけており、ダウンロード数では際立った存在です。
一方、日本における同期間の収益では、『NAVITIME』が4,000万ドル以上を記録してトップとなっています。グラフからわかるとおり、ナビゲーションアプリ収益トップ5のすべてのアプリは、NAVITIME JAPANがリリースしているもので、ナビゲーションアプリ市場において傑出した存在であることがわかります。
これらの5つのアプリを見ると、日本市場のニーズを的確に捉えていることがわかります。トップの『NAVITIME』では、「電車混雑回避ナビゲーション」が導入されています。「空いた電車で快適に通勤・通学したい」という思いはどなたでもお持ちだと思いますが、これを同社の予測機能によって提供しています。「急行よりも各駅停車、それも途中駅始発が空いている」など、詳細なデータとともにより快適な通勤・通学を可能にしています。
2位の『トラックカーナビ by NAVITIME』はトラックドライバー向けのナビゲーションアプリで、大型車特有の交通規制を考慮したルート検索、複数の訪問先を効率よく回る順序の提案、大型車が駐車可能な施設の検索など、車高・車幅・車長をアプリに登録しておくことで最適なルートの提案をしてくれます。
また、5位の『ツーリングサポーター』は2輪車ライダーのためのナビゲーションアプリで、景色の良いルート提案、夏に高温になるトンネルを回避したルート検索などの機能を持っています。日本では排気量に応じて通行できる道が異なり場合がありますが、これを配慮したルート検索も可能で、うっかりミスを防止できます。
こうした日本のニーズに細やかに対応したナビゲーションアプリを投入することで、同社は日本のドライバー・ライダーに支持されています。
中高年層からの利用も多いナビアプリ、ヤフーカーナビは推しドラ導入で平均月間収益が約2倍に収益成長量では、NAVITIMEのアプリが優勢の中、『Yahoo!カーナビ』(Yahoo Japan)が健闘しています。Sensor Towerのデータによると、日本における直近3年間のナビゲーションアプリの収益成長量で、『Yahoo!カーナビ』が4位にランクインしています。
この収益成長の要因は、「推しドラ」が牽引していると推察できます。2024年10月から投入された「推しドラ」は、アニメや有名声優の音声でナビゲーションしてくるサービスです。2025年9月1日時点で、「アイドルマスター シンデレラガールズ」、ホロライブ「兎田ぺこら」「AZKi」、アニメ「僕のヒーローアカデミア」、アニメ「ケロロ軍曹」、新感覚低音コンテンツ「低音火傷」(声優・津田健次郎、杉田智和、武内駿輔によるYouTubeチャンネル)、声優の竹達彩奈の音声があります(有料オプション)。
Sensor Towerのデータによると、2022年9月から2025年8月までの日本における『Yahoo!カーナビ』の月別収益推移を見ると、「推しドラ」導入以降の2024年10月から収益が向上していることが確認でき、その後も上昇気流に乗っています。同機能提供前と後の平均月間収益を比較すると2倍近くに成長しています。
ナビゲーションアプリでは、モバイルゲームとは異なった年齢層の傾向もわかります。Audience Insightsのデータによると、2024年9月から2025年8月までの日本における人気ナビゲーションアプリの年齢層では、45歳から55歳以上の層の高さがわかります。
Sensor TowerのApp Performance Insightsのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測はApp StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。
また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。なお、Google Playは中国本土では利用できません。
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