90分で基礎研究がビジネスアイデアに変わる！ AI×エフェクチュエーション・ワークショップを名古屋大学TOIC NAGOYAで開催

スノーフレイク・コンサルティング合同会社

公開日：2025/9/26

〜「分解可能なオムツ」など革新的アイデアを創出～

生成AI研修などを提供するスノーフレイク・コンサルティング合同会社（愛知県名古屋市、代表・中島正博）は、名古屋大学のオープンイノベーション拠点TOIC NAGOYAと共同で、9月11日に「エフェクチュエーション・ワークショップ」を開催しました。本ワークショップでは、優れた企業家の思考法を体系化した「エフェクチュエーション」と生成AIを組み合わせ、わずか90分で基礎研究の社会実装アイデアを創出する新たなアプローチを実践しました

「計画重視」から「実行重視」への転換

大学の優れた基礎研究を社会に実装することは、日本の競争力向上において重要な課題です。しかし、従来の詳細な市場調査と完璧な事業計画を重視するアプローチでは、基礎研究の持つ無限の可能性を十分に活かしきれない場合があります。本ワークショップでは、米国サラス・サラスバシー教授が27人の成功起業家を研究して開発した「エフェクチュエーション理論」を基に、手持ちのリソースから始めて段階的に可能性を探る実践的手法を体験していただきました。

5つのステップで「研究シーズ」が「社会インパクト」に

ワークショップでは以下の5つのステップを実践しました。

Step 1：AI加速によるアイデア爆発

・ChatGPTとの対話による8分間での価値発散

・人間の創造性×AI の処理速度の相乗効果を実現

Step 2：縁遠い領域との接続

・既存の枠組みからの脱却で新たな応用先を発見

・常識に縛られない発想転換を実践

Step3：「未来の新聞記事」で社会インパクトを可視化

・アイデアの社会実装後の姿を具体的に描写

・ステークホルダーへの訴求力を飛躍的に向上

Step 4：即実行可能な検証設計

SNS投稿、プレスリリース等による低リスク・高速検証手法を習得

Step 5：パートナーシップ構築

協力依頼メールの作成を通じた「Ask（依頼する勇気）」の実践

題材は未来を変える「混ぜる技術」

名古屋大学の「有機修飾セラミックスナノ粒子の超臨界水熱合成」研究を題材として使用。この技術は、髪の毛の70万分の1サイズのナノ粒子を使い、従来混ざりにくかった材料同士を効率的に混合可能にする革新的技術です。

驚きの成果〜90分で社会課題解決アイデアが続々誕生〜

■出されたインパクト・アイデア

参加者の一つのグループでは、超臨界水技術を活用した「分解可能なオムツ」というアイデアが生まれました。このアイデアは環境問題と高齢化社会という2つの社会課題を同時に解決する可能性を秘めており、参加者からは「これは本当に社会に必要な技術だ」という声が上がりました。その他のグループでも、それぞれ実用性の高いアイデアが短時間で創出されました。

■参加者の声：AI活用による「思考の加速」を実感

参加者からは「短時間でこれだけ具体的なアイデアができるとは思わなかった」「自分では思いつかなかった視点が得られた」といった驚きの声が寄せられました。また、「形にしてみると結構テンションが上がる」「やってみたくなる、やれそうだという気がしてくる」など、実際にアイデアを具体化することで実行意欲が高まったという感想も多く聞かれました。

■定量的成果

・90分でアイデア創出から検証設計まで完了
・3グループすべてで実用性の高いアイデアを創出
・AI活用により従来の数分の1の時間でブレインストーミングを実現
スノーフレイク・コンサルティング合同会社　代表・中島正博のコメント

TOIC NAGOYAさまとお話をしていて、「大学関係者からは”自分の研究が何に使えるのかイメージするのが難しい”と相談をよく受けるので、具体的な研究からアイディアを考えて、そのアイディアに価値があるかを検証するようなワークショップができないか」とのお話になりました。そこで、名古屋大学の実際の基礎研究を題材に、活用アイディアを考えて、テストマーケティングやパートナー探しを擬似体験してもらうワークショップを考案しました。90分と短い時間だったので「さわり」程度の内容ですが、このワークを通じて研究者の方がご自身の研究の社会的な価値に気付き、社会実装の一助になれば幸いです。今後も「#名古屋にエフェの風を吹かせる」をキーワードに、幅広い領域でエフェクチュエーションの魅力を伝えていきたいと思います。

今後の取り組み予定

地域に根差した企業活動の中にもエフェクチュエーションは生きています。岐阜の中小企業2社の取り組みを、エフェクチュエーションで解剖するイベントを開催致します。