繊維製品の抗菌試験に新たな試験菌を導入 -洗濯を繰り返しても残るにおい・くすみの原因に着目-
一般財団法人 ニッセンケン品質評価センター
公開日:2025/10/1
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(以下 ニッセンケン、理事長:安藤 健)は、繊維製品に対する抗菌性試験の対象菌として、Brevundimonas diminuta (ブレブンディモナス ディミヌタ)を新たに導入し、2025 年10 月1日(水)より試験受託を開始します。
洗ってもにおう、繰り返しの使用で色がくすむ — 背景にある「バイオフィルム」タオルなどの繊維製品を繰り返し使用すると、洗濯を重ねても落ちにくい「におい」や「くすみ」が生じることがあります。その要因のひとつとして、菌やその代謝物が作る保護膜「バイオフィルム」が繊維内に留まり、時間とともに増殖することが報告されています。
ニッセンケンでは、このバイオフィルムを発生させる代表的な菌種「ブレブンディモナス ディミヌタ」を新たに試験菌として導入。本菌を対象とすることで、従来菌種(黄色ぶどう球菌・モラクセラ菌など)では捉えきれなかった、バイオフィルム形成に関わる菌への抗菌性能評価が可能になります。
試験概要
■対象菌種 Brevundimonas diminuta (ブレブンディモナス ディミヌタ)
■適用範囲 繊維製品全般(タオル、靴下、衣類など)
■必要試料量 5g以上
■試験方法 JIS L 1902:2015 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果(一部試験条件変更)
■納期目安 約3 週間(依頼状況により変動)
■ご依頼・お問い合わせ https://biochemical.nissenken.jp/contact/
※本試験では、バイオフィルムを構成する代表的な菌種「ブレブンディモナス ディミヌタ」に対する抗菌性を評価します。菌の増殖抑制を評価する試験であり、バイオフィルムそのものの形成を直接測定するものではありません。
繊維以外の素材にも対応
繊維製品以外の用途でも、ブレブンディモナス ディミヌタを用いた試験が可能です。ニッセンケン バイオケミカルグループでは、さまざまな素材の抗菌・抗ウイルス性等の機能性評価を実施しています。標準的なJIS・ISO規格試験に加え、実使用環境や製品用途にあわせたカスタマイズ試験など、ニーズに応じて柔軟に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。
本試験に関するお問い合わせ先
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 バイオケミカルグループ
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試験内容やカスタマイズ条件についてのご相談も承っております。
詳細はバイオケミカルグループ特設サイトをご参照ください。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センターとは
ニッセンケンは、1948年の設立以来、繊維製品を中心とした「試験・検査」を通じて、製品の安全性や機能性を評価し、日本と世界のものづくりを支えてきました。現在では、世界最先端の安全基準「エコテックス®認証」において、アジア地域で唯一の認証機関でもあります。
繊維関連の各種試験に加え、抗ウイルス性能の評価、香粧品検査、海外市場への進出支援、さらには品質やサステナビリティを軸にしたブランディング支援まで、幅広い領域に対応。「品質課題のソリューションパートナー」として、企業や製品の新たな価値創出を支援しています。
設立日:1948年12月6日
本社所在地:〒111-0051東京都台東区蔵前2-16-11
代表者:理事長 安藤 健
ウェブサイト:https://nissenken.or.jp/
事業内容:繊維製品、それに類する製品及び健康と安全性に係わる製品の試験、分析、解析
エコテックス®国際共同体加盟機関
厚生労働省登録試験検査機関
JNLA登録試験事業者