杉並区の住宅倒壊から学ぶ“擁壁のセルフチェック”

株式会社さくら事務所

公開日:2025/10/1

擁壁の耐用年数・排水不良・ひび割れに要注意

業界初の個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人株式会社さくら事務所”(東京都渋谷区/社⻑:大⻄倫加)が運営する防災シンクタンク「だいち災害リスク研究所」の所長・地盤災害ドクターの横山芳春 博士(理学)が、2025年9月30日に東京都杉並区で発生した擁壁の崩壊によるものとみられる住宅倒壊と、擁壁のチェックポイントについてまとめました。

杉並区で起きた擁壁崩壊について考えられること

■善福寺川のへりの5mほどの高低差のある地域の擁壁

・武蔵野台地のへり、善福寺川の低地との境で5mほどの高低差あり
・過去の航空写真を見ると、1960年代ごろに造成が進んだ地域

 →状況によるが一般に擁壁の耐用年数は50年程度で、これを超えているか

■現地写真を見て

・擁壁両側の上から下まで大きな亀裂がある
・水抜き孔が不十分、もしくはふさがっていた可能性がある
・擁壁の傾き、膨らみがあった可能性がある

 亀裂は最も注意したいチェック項目、水抜き穴が十分でない場合は、擁壁背後の地下水が逃げ場を失い、擁壁に大きな負荷がかかってしまう

我が家の擁壁のチェックポイント

■擁壁のメンテナンスやチェック項目

1. 水抜き穴の詰まりはないか、土の流出はないか、草取り、清掃を実施。
2. 地震や大雨の後には、ひび割れや傾き等がないかチェック
3. 特に物件取得時には所有者は誰か確認を。特に隣地と共同の所有か

■擁壁点検と相談のすすめ

・国交省が公開する「宅地擁壁の健全度判定・予防保全対策マニュアル」、所有する方は「我が家の擁壁チェックシート(案)」でセルフチェックを
二段擁壁、増し積みされた擁壁、空石積み擁壁は専門家に相談を
・擁壁のひび割れ、傾きのほか、排水状況、水抜き穴の数、大きさも確認

→危険な状態であれば自治体や専門家に相談を



疑問・質問がある方はお気軽にお問合せください。専門家が取材に対応させていただきます。

10月2日(木)午前中(10時半~12時頃を想定)には杉並区の現地調査の予定ですので、お時間が合えば現地でのご取材等も可能です。



さくら事務所について 

1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。https://www.sakurajimusyo.com/



だいち災害リスク研究所について

安全性の高い土地選びと住宅づくりを広めることを目的として2021年に大西倫加が設立。防災のコンサルティング事業を開始し、国内唯一の個人向け災害リスク診断サービス「災害リスクカルテ」を提供する、さくら事務所運営のシンクタンクです。https://www.sakurajimusyo.com/daichi/



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