特定非営利活動法人 越境先生と大阪公立大学大学院 伊井研究室との共同研究がトヨタ財団 2025年度研究助成プログラムに採択されました

特定非営利法人越境先生

公開日:2025/10/3

特定非営利活動法人 越境先生(所在地:大阪市北区、代表理事:前田央昭、以下「越境先生」)は、大阪公立大学大学院 伊井義人教授研究室との共同研究グループが、公益財団法人トヨタ財団の2025年度研究助成プログラム(助成番号:D25-R-0084)に採択されました。本助成を受けて「教師の越境がもたらす教育現場・教員・社会への波及効果に関する実証研究」を推進してまいります。

研究の背景

現在の日本の教育制度では、地方公務員法や教育公務員特例法の解釈・運用により、教員の副業や学校外活動は厳しく制限されています。その結果、教育と社会の間に深刻な「分断」が生じ、教員の成長機会や教育の刷新が阻害されています。またその状況に対し、行き詰まりや課題感を持ったプロフェッショナル教員が教育への情熱を燃え上がらせたまま現場を去ってしまう「ふきこぼれ教員」が散見される状況となっています。

本研究では、こうした制度的・文化的な閉鎖性を乗り越え、教師が社会とつながることの教育的・社会的意義を明らかにし、教員のふきこぼれを防止するための研究や実証を行います。

トヨタ財団研究助成プログラムの趣旨

本助成プログラムのテーマは 「つながりがデザインする未来の社会システム」 です。
人と人、人と自然、人とモノや技術といった多様な「つながり」を視座に据え、社会課題の解決をめざす研究を支援しています。評価にあたっては、学際性、参画者の多様性、国際性、そして研究成果の社会的インパクトが重視されます 。

今回の採択は、弊団体が取り組む「教師の越境」というテーマが、教育と社会の分断を乗り越え、新たな社会システムのデザインにつながる挑戦として評価されたものです。

研究の目的とアプローチ

本プロジェクトは、教師の「越境活動」が教育現場や教員個人、そして社会に与える波及効果を多角的に検証します。具体的には、以下の4つのフェーズで研究を実施します

1. 全国サーベイ(教員・元教員1,300名を対象とした大規模調査)
2. 比較事例研究(越境を推進する学校と阻害される学校の差異、「ふきこぼれ」教員と越境の関係性を質的分析)
3. 介入実験(自治体や学校と連携し、現職教員と外部人材が協働して学校課題に取り組むプロジェクト型実験)

国際比較研究(海外の先進事例を分析)

期待される成果

研究の成果は、以下の形で社会に還元されます

政策提言書:副業規制緩和や越境活動推進を制度化するための具体的な提言
「教師越境設計ガイドライン」:現場で活用できるチェックリスト
オープンデータの公開:全国調査・事例研究の匿名化データを研究者や市民と共有

これにより、以下のような効果が期待されます

・教育の質の向上
・地域資源を活かした人材育成や地方創生
・教員のキャリア改革と教育改革の促進

教員の成り手不足の解消

助成概要
・助成プログラム:トヨタ財団 2025年度研究助成プログラム
・助成番号:D25-R-0084
・助成金額:6,400,000円
・助成団体:公益財団法人トヨタ財団
・代表者:前田 央昭(越境先生 代表理事)
・プロジェクトメンバー:
・伊井義人(大阪公立大学大学院 教授)
・坂本建一郎(時事通信社 編集委員・大阪公立大学大学院 博士課程院生)
・元木廉(越谷保育専門学校 専任教員・名古屋大学大学院 博士課程院生・越境先生 副代表理事) 
・加藤一晃(名古屋芸術大学 芸術学部 講師)
・吉岡茂樹(越境先生 事務局長)
・福田健志朗(原宿AIA高等学院 学院長・越境先生 役員)
・伊澤 俊介(越境先生 事業推進担当)
リンク
・本研究の詳細:https://toyotafound.my.salesforce-sites.com/psearch/JoseiDetail?name=D25-R-0084


・トヨタ財団研究助成プログラム:https://www.toyotafound.or.jp/grant/research/