【水産界】12月号にハラル・ジャパン協会×天高く株式会社のインタビュー記事が掲載されました。

一般社団法人ハラル・ジャパン協会

公開日:2025/12/18

掲載記事はこちらからご覧になれます

水産界12月号



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株式会社 天高く
富山に本社を置き、ラーメンの店舗経営、中華麺の製造販売、海外フランチャイズ事業等を展開する製造会社。

「日本のハラルラーメン、フランチャイズで “全世界対応” へ!?」

~ 東京ラーメンショーV5!チャンピオンが挑むグローバル展開 ~

代表商品「富山ブラック黒醤油ラーメン」は、アジア・欧米・中東と多様な文化圏に合わせて形を変えながら日本のラーメンとして世界中で親しまれてきました。
今回は、ハラルラーメンの開発背景や、認証取得の経緯、今後の展望について栗原社長と海外担当マネージャーの高野さんにお話を伺いました。

Q.1 ハラル認証を取得した商品について教えてください。

高野マネージャー:現在、ハラル認証を取得している商品は2種類ありまして、ひとつは「ハラル&ヴィーガン富山ブラック黒醤油ラーメン」、もうひとつは「ハラル&ヴィーガン 野菜だしの和風ラーメン」です。
黒醤油ラーメンは動物性原料を使わず、しっかりとした旨味のある醤油スープと国産小麦の麺が特徴です。和風ラーメンは野菜の旨味を活かした出汁を使った塩ラーメンで、こちらも国産小麦の麺を使っています。



栗原社長:塩ラーメンという位置づけですが、海外販売をしていると「塩=しょっぱい」というイメージが強いようで、塩ラーメンの印象があまり良くないんですね。
なので、あえて「野菜だしの和風ラーメン」と名称を変えて工夫をしています。

 



Q.2 ハラル認証商品としてこの2種類に決めた理由は何ですか?

栗原社長:まず、国内の代表商品である「富山ブラック黒醤油ラーメン」、これは外せない存在なのでメインに置いています。そして海外のムスリムの方にも受け入れやすい味として「和風だし」を選び、この2種類になりました。
実は、ほかにも辛いラーメンやカレー風味のラーメンなど様々な味を開発してはいるのですが、やはり “日本らしさ” を出すためにと思案した結果、醤油と和風だしというところに落ち着きました。
醤油と塩はもともと弊社で扱っている商品なので、それをムスリム向けに応用し、改良したという感じですね。



Q.2 ハラル認証取得の経緯について教えてください。

栗原社長:この2商品はどちらもハラル認証を取得しましたが、実際にはスープはスープ工場、麺は麺工場でOEM製造を委託しています。販売元である当社がハラル認証を取得するのではなく、ハラル認証取得済みの工場を選び、最終パッキングを行う麺工場の認証を表示することでハラル認証商品として販売しています。我々のノウハウとアイデアに基づいて製造していただいていますが、製造過程においては完全ハラルとなり、ハラル商品の製造販売が可能となります。



Q.3 認証取得するにあたり苦労した点はありますか?

栗原社長:ハラルというものに全く馴染みのないメンバーで始めたので、まずは勉強から始めました。そして、商品化するにあたり我々の自社工場ではハラル対応はできないということが前提にありましたので、協力してくれるパートナー工場探しもまた大変でした。
一時期は、品質という面で求めているクオリティに到達できなかったり、消費期限の問題が出てきたり。工場との相性も含め、最初からうまくいったわけではなく苦い経験もしましたね。当然、売れ行きにも影響してくるのでOEM工場は重要なポイントになりますが、そこは改善して今に至ります。
最初の商品展開は2年、その間も1年ほど工場探しを続けていたので全て落ち着くまでには3年かかりましたね。



Q.4 ハラル認証を取得して変化はありましたか?

栗原社長:業界内で「ハラル商品を扱っている業者である」と認識していただけるようになり、社内の意識も高まりました。専門業者であるとプライドを持って胸を張れるように、より勉強をするようになりました。
そして当然ながら従来の商品とは販路が全く別になるので、新しい販路の開拓が必要になりました。いまは思い通りの販路を確保しているわけではなく、まだまだ発展途上ですので、販路開拓には力を入れていきたいと思っています。
ただその反面、元々輸出商品として考えてスタートしていたものが、意外と国内のハラルを扱うお店からオファーを頂いたりもして、思わぬところにチャンスがあったなあ、と感じています。そうした良い変化がぼちぼち出てきていますね。



Q.5 主な輸出先について教えてください。

高野マネージャー:海外はドバイ、チリ、アメリカ、台湾、マレーシア、シンガポールなどへ主にスポット販売をしています。
アメリカに関しては、一部常設としてカルフォルニア州フリーモントの大阪マーケットプレイスという商業施設に定期的に商品を輸出しています。
最初の頃は、東南アジアを中心に北上していこうかと考えていたのですが、なんといっても近年は円安の影響もあり...(笑)始めたころに比べ、いまは欧米や中東のほうがローカルの人たちに手に取っていただきやすい状況が発生しています。逆にアジアのほうは、割高感が出てしまい敬遠されるパターンがありますね。
当面の目標としては欧米・中東を重点的にできればと思うので、そのエリアに注力して動いていきたいと考えています。



Q.6 今後の課題と展望について教えてください。

高野マネージャー:アメリカのような多民族国家やヨーロッパでは、ハラルだけではなくヴィーガンの方も多いので、その二側面で対応できる点が弊社として強みになっています。その強みを活かし、コンセプトとしても「全世界対応」を掲げ製造を開始しているので、今後はヨーロッパへも伸ばしていきたいですね。ただ、EU HACCAPなどのハードルもあるので、そこをクリアできればフランスやイタリアなどにもいきたいと思っています。



栗原社長:今後の展開としては、販路拡大で2商品を伸ばすこと、はもちろんですが、我々の基本は店舗運営ですので、お店としてのラーメン店をどんどん展開していきたいという思いもあります。
昨年はマレーシアで半年間ポップアップショップを運営し、ノウハウを蓄積してきましたので、そのノウハウを元に、ムスリム圏におけるフランチャイズ展開でラーメン店をさらに拡大していきたいと考えています。そこに向けて現地パートナーとの連携やネットワークづくりを強化しています。
やはり物販とは異なり店舗となると、現地経営者やメニュー、設備など様々な壁があるのも事実です。我々単独ではなかなかできないことですので大変ではありますが、マニュアルや仕入れルートの確保など想定範囲は整備され、どこのエリアに決まったとしても自信を持って動いていける、という確信は持っています。
課題はありますが、パイオニア精神でハラル商品の販路開拓、ラーメン店としての店舗展開、この二つを軸に全世界対応を目指して日本のラーメンを世界へ発信していきたいと思っています。

 





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