目標も成果アピールも「数字」に置き換えよう! ビジネスパーソンは身につけたい「数字力」

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更新日:2022/6/29

数字が苦手な人のためのいまさら聞けない「数字の読み方」超基本
数字が苦手な人のためのいまさら聞けない「数字の読み方」超基本』(久保憂希也/アスコム)

 仕事は「数字」で考えれば上手くいく。書籍『数字が苦手な人のためのいまさら聞けない「数字の読み方」超基本』(久保憂希也/アスコム)は、ビジネスパーソンの力を底上げしてくれるかもしれない1冊。自身の「数字力」を高めれば、論点整理や意思決定が求められる場面でも役立ちます。

目標を「数字」に置き換えればやるべきことが見えてくる

 目的を達成するには「具体的な数値目標を定めること」が必要と、著者は述べます。例えば、マラソン大会で「向こうのほうに走っていくように」と言われただけでは、いつまでもゴールにたどりつけませんし苦しいままです。しかし、あらかじめ「42.195km」と分かっていれば、ゴールを意識して力を発揮できます。

 ビジネスの現場でも同じで、例えば、勤務先の企業で「IT技術ですべてのビジネスパーソンの仕事効率化をはかる」としか目標が定まっていなければ、現場で何をするべきか分からないでしょう。より具体的に「5年後にウェブアプリケーションを600社に販売し、市場シェア30%を達成する」と置き換えると、現場でどう動くべきかが見えてきます。

 また、数字は目標と現実の間にある「問題」を浮き彫りにします。先述した「ウェブアプリケーション」の例で言えば、例えば、現状で「アプリケーションの提供先が100社、市場シェアが5%」だった場合は、「5年で500社(つまり年に100社)に販売し、市場シェアを25%上げる」のが考えるべき問題だと分かります。

 個人レベルでも「数値目標」を決めてみれば、現状の問題や将来的な目標が見えてくるはずです。

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成果をアピールするなら「数字」で示す

 周囲に仕事の成果をアピールするときも「数字」を使えば、説得力を高められます。営業職にとっての販売ノルマなど、成果の評価を数値化できない職種であっても「自分に求められているのはどの程度の時間をどの程度の量をこなすことなのか」と把握して、「目標に対して自分の働きぶりはどの程度なのか」と数値化する必要があると、著者は言います。

 例えば、経理職の場合に日頃から自分の行動を記録して「月次決算の資料を作成するスピードが倍になった」と提示できれば、先輩や上司に対してのアピール材料になります。また、1日の成果を数字で“見える化”すると、「今日はきついけど、昨日と同じくらいは頑張ろう」「今日はあと少し頑張って、昨日を超えよう」と思えるようになり、モチベーション向上にもつながります。

 これらの項目だけではなく、本書では「数字」をビジネスの現場に活かすためのメソッドが多数紹介されています。“デキるビジネスパーソン”を目指す人たちや、「数字」に苦手意識を持っている人たちにとって必携の1冊です。

文=青山悠

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