童話や昔話に猫行きまーす!? 『ねこむかしばなし』赤ずきんや白雪姫に源氏物語まで 猫づくしな昔話マンガ

マンガ

公開日:2024/6/16

ねこむかしばなし

 疲れていても疲れていなくても猫はかわいい。忙しい日々に猫から癒しを摂取したくなるのは当然のこと。猫から得られる癒しの需要はとどまることを知らない。その事実を象徴するように猫マンガもたくさんあるのだ。どの猫マンガも魅力的であるが本稿では『ねこむかしばなし』(ぱんだにあ/KADOKAWA)を紹介しよう。このマンガを読むことで、猫の魅力に癒され明日の活力になるはずだ。

『ねこむかしばなし』は、昔話や童話に猫が登場する癒し系マンガだ。猫が登場することで展開する、ゆるくかわいい物語が魅力的だ。コミックは全3巻まで(2024年6月時点)発売されている。

advertisement

様々な童話や昔話に登場する猫たち。そんな猫たちは自由気ままに愛らしく振る舞う。そこから展開されるゆるい物語に癒されてしまうのが本作。例えば、白雪姫のエピソード。白雪姫といえば、王妃が魔法の鏡に質問するシーンが有名だ。1番美しいのは誰? その質問に鏡が白雪姫と答えたことで王妃が怒り、白雪姫の物語が始まっていく。ところが『ねこむかしばなし』はひと味違う。1番かわいいのは誰? という王妃の質問に鏡は答える。1番かわいいのは猫だと。この後、王妃はさらに質問するのだが、結局返ってくる答えは猫がかわいいということだけだった。仕方がない、猫はかわいいのだ。

ねこむかしばなし

 猫はかわいい、それがこの作品の結論といってもいいかもしれない。全ての事柄は猫がかわいいに収束する。などというと少し大げさかもしれないが、でもしょうがない。猫はかわいいのだから。

 ここで少し日本の昔話について書こう。筆者が子供の頃、桃太郎や金太郎、浦島太郎などの今も有名な三太郎から、こぶとりじいさんや笠地蔵まで様々な日本の昔話の作品を見ていたように思う。今にして思えばこういった日本の昔話が日本人としての価値観を育ててくれていた気がする。どういった価値観かというと、人にやさしく欲さず驕らずといったところだろうか。こういった人物になれたかどうかはともかく、それが素敵なことであるという事は理解できる。

ねこむかしばなし

日本の昔話といっても、たくさんの話がありその教訓も様々である。話の起源も様々であるが、多くは口伝であったものが後に文字や絵で表現され継承されていったものだろう。脈々と受け継がれた物語が日本人の基礎になっていると思うと少し面白い。クールジャパンと表現される様々な文化も、「日本の昔話によって情操教育されたからこそ生まれたのだ」といえなくもないかもしれない。文化が多様化した今だからこそ日本の昔話と向き合ってみてもいいのだろう。

ねこむかしばなし

『ねこむかしばなし』では、原作のあらすじも説明されているので、今まで読んだことのない話でも楽しむことができる。昔話や童話の世界で自由に気ままに愛らしく振る舞う猫たちをぜひ堪能してほしい。

文=ネゴト/ カリス魔王TK

あわせて読みたい