ハイヒールがはけないのは「靴」ではなく、「脚」に原因があった!?

健康・美容

2017/7/16

『ハイヒールをはいても脚が痛くならないカラダのつくり方』(久優子/宝島社)

 女性として生き抜いていくのは大変だ。靴選び1つとっても男性のようにはいかない。革靴、スニーカー、サンダルでほぼ事足りてしまう男性諸氏とは違い、女性には「ハイヒール」という強敵がいる。見た目の美しさと引き換えに、靴としての機能性をどこかにほぼ置き去ってきたようなアイツである。

 ハイヒールは確かに素敵な靴だ。華やかなデザインのものも多いし、女性の脚を細く長く見せてくれる。ただし、それはあくまでもキチンと履けた場合の話。履いている間中、爪先立ちの姿勢を強いられるハイヒールは、身体のバランスの取り方が難しい。しかも靴の中で足が前に滑りやすいため、履き方によっては足にかなりの負担となる。9cmヒールを華麗に履きこなす女性がいる一方で、ハイヒールという単語を聞くだけで逃げたくなってしまうような女性も少なくない。

 うまく歩けない。すぐに脚が痛くなってしまう。ハイヒールのせいで挫折感を味わったとき、私たちは往々にしてそれを靴のせいにする。ヒールが高いから、スニーカーにくらべて靴としての安定性がイマイチだから云々。でもそれはまったくの冤罪であるらしい。

ハイヒールをはいて脚が痛くなるのは、靴のせいでもなく、ヒールの高さのせいでもなく原因はあなたの足にあるのです。そう、ハイヒールが足に合わないわけでも、ハイヒールが脚を痛くするものでもないのです。

 本書『ハイヒールをはいても脚が痛くならないカラダのつくり方』(久優子/宝島社)の著者はこう断言する。ハイヒールが履けないのは、靴のせいではなく足のコンディションの問題だったのだ!

 足を構成している28個の小さな骨、そして骨をつなぐ筋肉や靭帯、腱。これらが本来の機能を発揮することで、私たちは初めて上手に身体のバランスが取れるようになる。ハイヒールを履けない人は骨と骨の間の柔軟性が失われていたり足裏や指の筋肉が衰えていたりして足がうまく使えなくなっている。特に扁平足や浮き指、外反母趾、タコやウオノメなど本書のチェックリストにあてはまる症状がある人は要注意。自分では気づいていないだけで足の機能が失われているかもしれない。

 ハイヒールを履くためには、足全体の柔らかさ、そして足裏や足指の強さが必要だ。これは健康な足に必要な条件でもある。ハイヒールを履ける足イコール健康な足。ハイヒールのせいで足が不健康になるのではなく、不健康な足でハイヒールを履くから外反母趾を始めとするトラブルや痛みに襲われることになるのだ。

 著者によれば、足の状態を整え自分の足にフィットしたハイヒールを履けば、ハイヒールは驚くほどの美容効果をもたらしてくれるという。普段使わない足の筋肉を刺激する。姿勢が良くなり、立ち居振る舞いに自信が持てる。筋肉がついて代謝がよくなる。見た目の印象はもちろん、身体を内側から美しくしてくれる。まさにハイヒールは女性の味方である。

 本書には健康な足を取り戻すためのさまざまなストレッチやトレーニングが紹介されている。足の指を曲げる、足を付け根からねじる。単純な動きのように見えて、実際にやってみるとなかなかに難しい。足の指、足裏、足首、股関節。普段の生活ではまずやらないような動きが次々と登場し、そのたびに自分の身体のポンコツっぷりを思い知らされる。どうやら現代人の生活は足の健康のためにはあまりよくないらしい。

 足は身体の土台となる部分だ。足を整えればハイヒールを痛みなく履けるだけでなく、身体全体の骨格のバランスも整う。リンパや血液の流れも良くなり、冷えやむくみも解消する。もちろん外反母趾や開帳足といった辛い足のトラブル対策にもなる。

 本書は「ハイヒールを履ける脚」をテーマにしているため、美容に気をつかう女性向けに書かれている。しかし足の衰えという問題に直面しているのは女性だけとは限らない。男性もまた現代に生きる以上、同様の問題を抱えている。いつまでも元気に歩くためにも、ジムのトレーニングやスポーツでよいパフォーマンスを上げるためにも、足のコンディショニングは欠かせない。ハイヒールに挑戦したい女性はもちろんのこと、男性が読んでも価値を見出せる1冊といえよう。

文=遠野莉子