続々重版! 本心を見せない明るい不良×元引きこもり高校デビュー一匹狼の青春ストーリーが熱い!! 『五十嵐くんと中原くん』

マンガ・アニメ

2017/12/1

 1巻の時点ではBL(ボーイズ・ラブ)のラブの部分がない……! なのに、こんなに面白いのはスゴクないか? 『五十嵐くんと中原くん』(イサム/KADOKAWA)は、本心を見せない明るい不良と、高校デビューした元引きこもりの、胸熱な青春ストーリーである。

 中原くんは中学の時、地味なメガネで、クラスでは浮いた存在だった。「自分を変えなければいけない」「クズなやつが、得する世の中なのだ」と一念発起、金髪&コンタクトにして高校デビューを果たす。しかし、無理をして「不良」を装っている中原くんは、そんな自分に息苦しさも感じていた。

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 一方、人気者で明るく、成績優秀でありながらも飲酒も喫煙もする、学校もサボる五十嵐くん。穏やかで優しいが、ニセ不良の中原くんと違い、行動は完全なる不良。
 まったく接点のなかった二人だが、とある出来事をきっかけに、中原くんは五十嵐くんに「オレはクズだけどな、お前の方がもっとクズだ」といってしまう。
 中原くんはマジ不良の五十嵐くんの報復に内心ビビるが、五十嵐くんは自分の目をまっすぐと見て、「怒ってくれた」中原くんに、好意を寄せるように(ラブではない)。
 それから、二人のぎこちない「友人関係」が始まる。相手に失望したり、自分自身がイヤになったり、怒ったり恥ずかしかったり、泣いたり抱き締めたり(ラブではない)しながら、二人は少しずつ成長していく。

 それぞれ重たい過去を持つ中原くんと五十嵐くんは、作中で今まさに、成長している過程が描かれているのである。「大人」しかできないことをして、達観したような雰囲気を醸し出している五十嵐くんも、やっぱり精神的には未成熟だし、中原くんも「自分探し中」という様子。
 高校生という「『本当の自分』になろうとしてあがいている子ども」の二人が、お互い影響し合い、時に本心をはぐらかしたり、時に感情をストレートに伝えたりして、少しずつ成長していく様は、やっぱりスゴクいい。「これぞ青春!!」という感じがする。

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二人に年齢が近い読者は、自分と重ねて大いに共感をするだろうし、未成年が遠い昔の読者は「思春期に悩んでぶつかってる青臭い高校生萌え」と感じるだろう。幅広い年代が夢中になれるからこそ、本作は人気なのかもしれない。

 そして巻を重ねるごとに「一番の友達」だった二人の関係は徐々に変化していく。3巻の終わりで発覚したのは、これから二人は修学旅行に行くということ。
 この高校生的一大イベントでラブはどこまで進展するのか……!?  4巻が待ち遠しいです…。

文=雨野裾

五十嵐くんと中原くん』(あすかコミックスCL-DX)
レーベル:あすかコミックスCL-DX
出版社:KADOKAWA
著者:イサム
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