結果の9割は無意識の思い込みが決めている!? あなたを成功に導く無意識バイアストレーニング

ビジネス

2017/12/1

『あなたのチームがうまくいかないのは「無意識」の思い込みのせいです』(守屋智敬/大和書房)

 私たちは普段どのくらい、自分の「無意識」を意識できているだろうか。「俺はしっかりと自分を客観視できている」と言っても、その考え自体が思い込みだったらどうしようもない話である。

わたしたちは解釈の世界に生きています。わたしたちが「知っている」こと、「わかっている」こと、「見えている世界」はすべて自分なりの解釈でつくり出されています。つまり、ほとんどが「知っているつもり」「わかっているつもり」「見えているつもり」のものでできあがっているのです。

 そう語るのは株式会社モリヤコンサルティング代表取締役、守屋智敬さん。組織開発プログラムを通したリーダーシップ研修を数多く提供し、2万人以上のリーダーの育成に携わってきた人物だ。そんな著者の本『あなたのチームがうまくいかないのは「無意識」の思い込みのせいです』(守屋智敬/大和書房)は、リーダーたちの「無意識」に潜む危険を指摘している。本書が取り上げている状況は主に組織のリーダーに関する実例だが、リーダーは勿論のこと、そうでない立場の人でも十分に適用できる啓発本となっている。

■「裸の王様」になっていませんか?

 王様も、家来も、国民も、「バカだと思われたくない」という“自己防衛心”によって、周りに、そして自分にまで嘘をついてしまったのが『裸の王様』の話のオチ。これはまさに「自分のやっていることに気付いていない」という“アンコンシャス・バイアス”(=ステレオタイプに基づく決めつけ・慢心)の怖いところだと著者は指摘する。

「やることなすこと、すべてうまくいっている」と思っていても、そう思っているのはあなただけ。まわりは、上下関係や、利害関係に配慮して、「あなたは裸の王様になっていますよ」と、真実を伝えてくれる人がいなくなっている可能性はないでしょうか。(27頁)

 「気付いていない自分に気付く」ことができなければ、その人はいつまでたっても「無意識の誤った自分」に振り回されてしまうのだ。

■「若者だから」と決めこまない

たとえば、あなたが若手メンバーに対して、もっと積極的にお客さまに提案をし「買ってください」の一言をいうべきだと思っていたとします。ところがそのメンバーはお客さまのところにいっても、なかなか契約をとって帰ってきません。しかし、この結果だけで「契約をとる意識が薄い」「学生気分が抜けていない」といっても、相手の腹には落ちないことが往々にしてあります。なぜなら、「契約締結を優先すべきだ」というリーダーの価値観に対し、メンバーは、「取引先との信頼関係を優先すべきだ」という価値観をもっている可能性もあるからです。(67頁)

「今どきの若者は」という言葉はいつの時代にもあるもので、その正体の多くは優劣ではなく単純に価値観が違うだけなのだ。まさに今この時も、上の例のようなシチュエーションに遭遇して不満を抱えている若い世代も大勢いることだろう。相手の価値観を知ろうとしないで無理にリーダーの価値観を押し付けるだけでは、相手の行動は変わらない。

 では、このような不毛なすれ違いをなくすためには、リーダーはどのような点に気を付けるべきなのか。それは、「共にめざすことのできるゴールを探す」ことだと著者は説く。「ジェネレーションギャップ」という言葉を生み出すのも、人々の“アンコンシャス・バイアス”であるのだ。

 我々は「無意識」の思い込みのせいで、日々不毛なディスコミュニケーションをも生み出している。「ブラック企業」なんてものは、まさにその結果だといえるだろう。自分を防衛するために“無意識の自分”に蓋をし続けていては、いつまでたっても生産性は向上しない。

文=K(稲)