本編とあわせて読むと面白い!「犯人」視点が話題の金田一少年『犯人たちの事件簿』3つの原作オマージュとは?

アニメ・マンガ

2017/12/23

『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』(講談社)

 『金田一少年の事件簿』(講談社)といえば、1992年の連載開始から幾度となく映像化され、現在も『週刊少年マガジン』にて 最新シリーズ『金田一少年の事件簿R』を連載中の大人気作品。名探偵を祖父に持つ少年・金田一一が、IQ180の頭脳を駆使して数々の難事件を解決する大人気推理漫画だ。

 記念すべき25周年を迎えた今年、同作のスピンオフ『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』(講談社)が漫画アプリ「マガポケ」で公開され、話題を集めている。

 タイトルのごとく、本作の主人公は“犯人”。11月17日に発売された第1 巻では、本編で描かれた4つの事件の犯人たちの視点で、決死の覚悟で仕掛けたトリックの裏側や金田一の推理力の前に膝を折る姿が描かれる。

 本編では知ることができない愛嬌たっぷり(?)な犯人たちの一面を見ることができる同書。『金田一少年の事件簿』本編を知らなくても十分楽しめるが、やはり連載初期の本編を夢中で読んでいた金田一キッズたちにこそオススメしたい。なぜなら、この作品には、当時の『金田一少年の事件簿』を彷彿とさせるさまざまな仕掛けが施してあるのだ。

 まず、パッと見てわかるのが本編に寄せた“絵柄”だろう。『犯人たち~』の表紙は『金田一少年の事件簿』の記念すべき単行本第1巻をアレンジした仕様。これだけでも往年のファンの心をくすぐるはず。さらにページをめくれば、本編オマージュのオンパレードだ。

●原作オマージュその一:印象的なコマに登場する「!?」

 本編では、金田一たちが死体を発見したり、いかにも怪しい人物に遭遇したりする場面で、必ず「!?」の文字がコマの中に登場する。とくに90年代の本編には、さまざまなシーンで「!?」が活躍していた。

 金田一少年の事件簿に欠かせない「!?」は、スピンオフでも健在。おもに、犯人たちが追い詰められ、驚いた瞬間に「!?」が登場する。金田一以上に焦っている犯人たちの気持ちを「!?」の数で把握できるぞ。

●原作オマージュその二:絶妙な一コマを再現

 同作は、犯人の行動を中心に追う物語だが、本編では犯人が判明するまでは登場人物のひとり。そのため、スピンオフでは金田一との接触シーンや死体が登場する場面は、本編のコマをしっかり再現している。

 たとえば、オペラ座の怪人として完全犯罪を目論む有森裕二は、犯行を隠して金田一と「何食わぬ顔」で歓談する。有森自身も自画自賛するほどの「何食わぬ顔」は、本編の小さな一コマに描かれており、犯人だと思って読むと、なんだか切ない気持ちに……。あわせて読めば、間違い探し感覚で楽しめるかもしれない。

●原オマージュその三:おまけ漫画「煩悩シアター」も外伝に

 そのほか、本編ファンにはお馴染みのおまけ漫画「煩悩シアター」も「外伝煩悩シアター」として巻末に掲載されている。本家「煩悩シアター」は、作画のさとうふみや先生による描き下ろし漫画。おもに制作秘話が描かれ、本編の凄惨な殺人事件をマイルドにしてくれる癒やしの存在だった。そして、この外伝でも作者・船津紳平先生による制作舞台裏が描き下ろされている。なぜ船津先生が犯人たちを描くことになったのか、そして本編『金田一少年の事件簿』の生みの親は、この作品をどう評価したのか……気になる人は、ぜひ単行本をチェックしよう。

 生粋の金田一キッズだった筆者も、スピンオフ発売を機に本編第1巻を久しぶりに手に取ったが、懐かしさとともに船津先生が何度も本編を読み込み『犯人たちの事件簿』を描いたことが伝わってきた。ファンをうならせる仕掛けが満載の外伝、ぜひ本編とともに楽しんでもらいたい。

文=フクロウ太郎(清談社)