仕事は現場で起きている! 成果を上げ現場スタッフの意識を変える時短ミーティング

ビジネス

2018/3/23

『「15分ミーティング」のすごい効果』(矢本治/日本実業出版社)

 リーダーに求められるレベルは上がってきています。労働時間を減らす一方で、成果は求められます。限られた時間でメンバーをまとめ、成果を出すスキルが必要になってくる。そのために必要なのが複数のメンバーに一度にアプローチできる会話力です。
『「15分ミーティング」のすごい効果』(矢本治/日本実業出版社)で紹介する「矢本流ミーティング」の特徴は、ズバリ「時短」。15分間で「提案(アイデア)出し」「決定と合意形成」「行動計画」を集中して行うことで、現場のスタッフの考える力、判断力、実行力が高まり、人材育成の方法としても活用できるので、実際に約93%のクライアント企業で業績向上を記録しているといいます。

■15分ミーティングは、今までの会議となにが違う?

 15分ミーティングは、従来の会議を否定するものではありません。著者のいう会議とは、経営陣が会社運営の方向性を決めるもの。ミーティングとは、現場のスタッフが具体的にどう行動するかを話し合うものであり、目的が違うのです。会議で素晴らしい意思決定をしても現場が動かなければ成果につながりません。

 ミーティングで大切なのは、「良いパターンのコミュニケーション」を築くこと。個性の異なるスタッフをまとめ、成果を上げるのがリーダーの務めです。会議やミーティングがうまく進まないのは人に問題があるのではなく、良いパターンで会話できてないことが原因だと著者は指摘しています。

 良い会話のパターンとは、過去ではなく未来視点で話すこと。過去視点の「なぜこんなミスをしたの?」「どうして成績が悪いのか?」という会話では、「他部署が悪い」「予算がない」といった責任のなすりつけ合いになってしまい、他責の意識の改善は望めません。「今後自分(たち)にできることは?」という未来志向や自責の視点で会話すれば話し合う内容は変わるのではないでしょうか。
 ミーティングにせよ会議にせよ、「自分たちのより良い未来をつくるため」に話し合っているはずです。会話の内容は、自分たちにできることを未来視点で集中して話すことが重要だと著者は述べています。

■15分ミーティングの基本ステップと実践時のヒント

 15分ミーティングの最初のアイデア出しでは、テーマに沿って「今後どうするか?」という未来視点の質問をします。それに対してメンバーが「組織でできること」「自分にできること」という解決策を3分間で付箋に複数書いて提案します。

 口頭で順番に意見を出すと、「○○さんと同じです」となり、アイデア数が集まりにくくなります。付箋に書くことで他人の内容を把握できず、各自の個性が表れます。また簡潔に書く必要があるので、発表は短く済みます。提案後に付箋を貼れば聞き間違いなども防げ、議事録もスマホで撮影すれば手間入らずというメリットがあります。

 アイデアが出たら整理して、決定します。この際には参加者の合意形成が大切です。正しい唯一の正解はありませんから、どんな案に決定しても「全員が協力して、やってみよう」と新しいチャレンジをする職場環境をつくることが大切です。

 計画を立てるときには、いつまでにやるかという「期日」だけを決めてしまうと、日常業務を優先して後回しになってしまうのが、これまた失敗のパターンです。決めるべきは、忙しい一日の業務のなかでいつ作業するのかという「実行日時」だといいます。また、担当者は1人ではなく2人で監督する仕組みが実行力を高めるそうです。
 さらに本書では、ミーティング後のフォローアップの実践テクニックも解説しています。例えば、計画がズレたときの修正方法、状況の見える化などなど。ミーティングを繰り返すことで現場スタッフの自発的な問題解決能力が成長していくといいます。

 15分だけのミーティングなら負担も小さく、面倒な資料や準備も必要ありませんから、現場のメンバーだけならば思いつきでも話しやすそうですよね。この良いパターンを応用すれば職場以外でも、家族や友人との付き合いにおいても前向きな会話を作るヒントになりそうです。

文=愛咲優詩