「ベニシアさん」「猫」「一人旅」etc. “憧れの○○”に次々トライしてみた結果

暮らし

2018/3/31

『流行のライフスタイルに憧れて』(津田かおり/産業編集センター)

 インターネットやテレビ、雑誌などで見かけたものに心をくすぐられ、「いいなあ」「ほしいなあ」「やってみたいなあ」と思うことってありますよね。でも、そう思うだけでそのまま月日が過ぎてしまった…というようなことも多いのではないでしょうか。

 特に新しいことを始めるときには、相応のエネルギーが必要になりそうです。忙しかったり疲れていたりするとなおのこと。一歩を踏み出すよりも「いいなあ」と思う気分のまま、あれこれ想像しているほうが楽しいときもあるし、そのほうがなにより楽。行動しなければ、失敗のリスクを負うこともありません。

 ところがそうしたことよりも、好奇心が圧倒的に勝っていて、気になったことを即実行できる人もいます。2018年3月14日(水)発売のコミックエッセイ『流行のライフスタイルに憧れて』(津田かおり/産業編集センター)の著者、津田かおりさんもそのひとりです。

 アラフォーで独身、イラストレーターとして活躍中の津田さんは、憧れの気持ちを抱いたさまざまなことに次々トライしていきます。実体験として描かれているので、ライフスタイルに興味のある方にとって、本書は願ってもないナビゲート本となるでしょう。

 例えば1章の「憧れの暮らし」では、文字どおり憧れのライフスタイルに挑戦。野田琺瑯(ほうろう)やCath Kidstonといったブランドの商品を試したり、ハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさんを真似てハーブを栽培してみたり、さらには猫を飼ってみたり、カフェでの英会話レッスンや断捨離をやってみたりしています。

 2章ではマクロビオティックや断食など食にまつわること、3章では冷え取りや古武術的な動き方などヘルスケアに関すること、4章ではスピリチュアル関連、5章では映画『かもめ食堂』への憧れがきっかけというフィンランド一人旅などにトライ。楽しくできたこと、その後も続けていることもある一方、うまくいかなかったこと、続けられなかったこと、ビミョーな感想を持ったことなども正直に描かれています。

 あくまで津田さんの体験と津田さんの感想ではあるのですが、本書には共感しやすさを感じます。それは、コミックエッセイという比較的読みやすく感情移入しやすい形式だからということもあるでしょう。そして、実際に体験してみたところからの感想だから共感しやすいともいえそうです。

 章全体でスピリチュアルを取り上げた4章や、旅のエピソードが満載の5章は、描写もより詳細でさらに感情移入しやすく、続きが読みたくなったほどです。

失敗も多いですが…
いろいろな体験のお陰で
昔は 制限だらけに
感じていたこの世界が…
今では可能性に満ち
あふれた世界に感じます
この世界は
自分の見方次第で
とっても素敵に面白く
なるのだと思います…!

「百聞は一見に如かず」「思い立ったが吉日」「蒔かぬ種は生えぬ」「当たって砕けよ」「為せば成る」「案ずるより産むが易し」etc.…行動を促す格言がこれほど多いのは、興味を抱いたことでも実行に移すのはなかなか難しいということの表れなのかもしれません。

 また、実際にやってみないと感じられないことがあるということも、言外に示しているように思えます。憧れを憧れのままにせず、実践してみる津田さんは、そのことを本書で身をもって証明してくれています。

 次の休日、気になっていたことを試してみてはいかがでしょう。もし本書が気になったら、ぜひ読んでみてください。いつもと違う何かが心の中に生まれるかもしれません。

文=寺島和美