【クイズ】1階から5階まで4秒かかるエレベーター、1階から10階までは何秒?

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2018/4/22

『この問題、とけますか?』(吉田敬一/大和書房)

 読者は論理クイズや頭を使ったパズルがお好きだろうか? 私は大好きだ。論理クイズを見かけたら何分もかけて考え込む。そして見事に間違えてしまう。だが、楽しい。論理クイズやパズルはめちゃめちゃ楽しい。百聞は一見に如かず。まずは以下の問題に挑戦してほしい。

Q.1階から直通で5階まで昇るのに4秒かかるエレベーターで、1階から直通で10階まで昇る所要時間は何秒?

 一見簡単そうなこの問題。「1階から5階まで4秒かかるのだから、1階から10階までは倍の8秒が答えなのでは……?」と思った読者もいるはず(私もそう思った)。しかし答えはそんなに簡単ではない(私は答えを見るまで「こんなの楽勝」と思っていた)。

 問題文をよく読むと、1階から5階まで「4階分を4秒かけて昇っている」ということに気がつく。したがって、1階から10階まで「9階分」を昇る所要時間は「9秒」ということになる(私はこの答えを見て「ウソだ……」と頭を抱えた)。

 論理クイズや数字のパズルは、一見簡単そうで、実は難しい。頭をうんうん使って一生懸命考えた末に間違えることも多々ある。だからこそ、その答えを見たときに「なるほど!!!」と合点する心晴れやかな爽快感を味わえる。まるで「脳ミソをデトックスする」ような「すっきり感」が全身を駆け巡るのだ。

 そんな問題をいくつも収録した書籍が『この問題、とけますか?』(吉田敬一/大和書房)だ。前出の「エレベーター」も本書に収録されている問題の1つ。発想力・論理力・数字のセンスなど、「知識」ではなく「知恵」を試す良問だけを厳選しているので、本書に挑戦すれば社会生活で凝り固まった頭がどんどん解放されていく。解けても解けなくても頭がすっきりする感覚が楽しい。それではもう1問ご紹介しよう。

Q.ある不思議な樹は、初日に1粒の実をつけると、翌日は2粒、翌々日は4粒と、前日の2倍の実をつけます。そして30日目には、籠一杯の実をつけました。籠半分の実をつけるのは、何日目ですか?

 どうだ、この意地悪そうな問題は。問題の端々から「ひっかけてやるぜ」という出題者の悪意が伝わる。そんな悪意に気づかず、「30日目に籠いっぱいの実をつけるのだから、その半分の15日目が答えだ!」と早合点した人もいるだろう(私である)。残念ながらそれはおバカ回答だ(残念ながら私はおバカ回答をした)。

 この問題のキモは「1日に実が2倍に増える」ということ。30日目に籠いっぱいになるということは、その前日に籠の半分が埋まっているはずだ。したがって答えは「29日目」となる(私はこの答えを見て「ウソだ……」と頭を抱えた)。

 本書は、このような論理クイズや数字のパズル以外に、ハイレベルな問題も収録している。たとえば以下の問題。

Q.1枚の紙の表には
「裏に書いてあることは、嘘です」
と書かれ、裏には
「表に書いてあることは、本当です」
と書かれています。
これは、どう解釈したらよいでしょう?

 これはいわゆる「パラドックス」、つまり「矛盾」を楽しむ問題だ。中国の古書『韓非子』に収録されている「どんな硬いものでも突き破れる“矛”で、どんな鋭い刃物でも突き破れない“盾”を突いたらどうなるのか?」という逸話とまったく一緒である。

 この問題をスラスラ回答できる人は「論理」を身につけた「賢い人」だ(私はスラスラ「解けない言い訳」を述べた「アホ」だった)。この答えは本書で確認するか、身近にいる賢い人に尋ねてほしい。

 また、他にもこんな問題がある。

Q.1万人に1人という難病の疑いで検査を受けたら「陽性です」と云われ、Aさんはひどく落ち込んでいます。この検査の診断結果は98%正しいとされています。ただ、罹患していない人でも1%の割合で、「陽性反応」が出ます(偽陽性)。このAさんが罹患している本当の可能性(確率)はどのくらいと考えられますか?

 自分の身に起きたら絶望してしまいそうなこの問題。実生活に関係しているだけに是が非でも答えが知りたいような……やっぱり知りたくないような……。

 そんな心配をしている方に朗報がある。この問題の答えはなんと……「0.97%」なのだ!98%の正確さを誇る検査を受けたにもかかわらず、実際に罹患している確率は1%にも満たない……。いったいどういうことか。この答えを解くカギは問題文の冒頭の「1万人に1人」にある。この理由が知りたい方はぜひ本書でチェックしてほしい。

 論理やパズルと聞くと「難しそうだな」「勉強みたいで嫌だ」と感じてしまう。しかし本物の論理やパズルは挑戦してみると意外と楽しい。たとえ間違えても、その答えを聞いて「そうか~」と納得できる。勉強にはない楽しい要素がたくさんあるので、ぜひ友達同士や親子で興じてみてほしい。

文=いのうえゆきひろ