あなたが今すぐ筋トレを始めるべき理由

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2018/6/15

『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える 超・科学的な理由』(Testosterone、久保孝史/文響社)

信じろ。筋トレは最強のソリューションだ。

 最初は「そんなバカな」と疑っていた人も、ページを開いた数時間後にはジムに入会届を出しに走っている。本書『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える 超・科学的な理由』(Testosterone、久保孝史/文響社)はそういう本である。

 本書の著者の1人Testosterone氏は「この世の99パーセントの悩みは筋トレで解決できる」とTwitterや他の著書で熱心に説いている人だが、その主張は決して非科学的な精神論から導き出されたものではない。むしろ、本書に紹介されている科学的なエビデンスを考えると、筋トレをやらない理由が見つからないのである。

 なんで筋トレをしなければいけないのか。それに対する答えを、スポーツ科学研究者・久保孝史氏とともに最新の科学知識を使って解き明かしたのが本書である。

 筋トレというと「ダイエットやボディメイクのためにするもの」といったイメージを持っている人もいるかもしれない。それは決して間違いではないのだけど、実は筋トレの効果はそれだけにとどまらない。生活習慣病やガンになるリスクを下げる、認知機能や集中力をアップさせるといったさまざまな興味深い研究結果が報告されているのだ。もはや見た目のためだけでなく、心と身体の健康を維持するために筋トレをやるべき時代になってきたと言ってしまってもよいのかもしれない。

 なかでも注目したいのが、メンタルヘルス面への効果である。ストレス社会といわれる現代社会を生きる我々にとって、日々のストレスをどう発散するかは非常に重要な問題である。お酒に走る、やけ食いするといった方法もあるけれど、前者は肝臓と人生を破壊する可能性が否定できないし、後者は体重への悪影響が心配される。

 そのため、ここは著者たちのアドバイスに従って、とりあえず筋トレに励むのが正解かもしれない。本書には「筋トレで人生が変わった!」という人たちの実録体験漫画が6本収録されているが、そのうちの半分以上はメンタルヘルスの問題に関係するものだ。もちろん筋トレでうつが治るとまではいわないけれど(病院での適切な治療や医師のアドバイスが必要だ)、筋トレが精神の健康に対してよい影響を与えてくれるのは間違いないらしい。

 そして、これにはきちんとした科学的な理由がある。久保氏によると、筋トレがメンタルヘルス向上に効果的ということは多くの科学的な研究によりすでに裏付けられているという。自尊心を向上させたり、不安感・焦燥感を改善したり、といった効果が報告されているのだ。詳しいメカニズムについてはまだわかっていないことも多いが、どうやらトレーニング時に分泌される脳内ホルモンなどが関係しているようだ。ついでに体力がつき、病気のリスクが下がり、体脂肪も落ちるのであれば一石三鳥どころか四鳥。少なくとも、身体にとって悪いことは何もない。

 仕事にプライベートに、と充実した毎日を送るのに必要なのは、とにもかくにも心身の健康である。どんなにお金を稼いでいたとしても、リア充生活を送れる環境に恵まれていたとしても、病気になってしまっては意味がない。

 そういえば、オバマ前大統領を始め世界のエリートにはエクササイズ愛好家が多く、激務の合間をぬってトレーニングに励んでいるそうだ。その理由についてTestosterone氏は次のように述べる。

エリートたちは地位や名声、金がいくらあっても健康を失ってしまえば、元も子もないことを知っている。そして、健康を失えば情熱を持って長時間仕事と向き合う事すらできなくなってしまう。彼らは、健康こそが人間の持ちうるもっとも貴重な財産であることを認識しているのだ。

 健康のありがたみは健康な人にはわからない。でも、失ってしまったときにはすでに手遅れだ。健康なときにその事実に気づいていることこそが、エリートである証明といえるのかもしれない。

 筋トレは心を変え、肉体を変え、さらには脳にまでポジティブな影響を与える。そして、そのことはときに誰かの人生まで大きく変えていく。私たちが充実した人生を送るうえでの最高のパートナー、それが筋トレなのだ。

文=遠野莉子