7月からアニメがスタート! 高評価の『アンゴルモア 元寇合戦記』は何が面白いのか?

アニメ・マンガ

2018/7/11

『アンゴルモア 元寇合戦記』(たかぎ七彦/KADOKAWA)

 現在、コミックWEBサービス「Comic Walker」(KADOKAWA)で連載中の漫画『アンゴルモア 元寇合戦記』(たかぎ七彦)は、タイトルからもわかるように、13世紀後半に起きた、元による二度の日本侵攻=「元寇」を題材とした作品だ。各方面で高い評価を得ており、過去には「このマンガがすごい!オトコ編」にもランクイン、7月からはついにアニメがスタートする。

「元寇」といっても、日本史の授業で教わったような、「博多湾沿岸での戦い」や「神風(大暴風雨)による元軍の撤退」などは出てこない。本作の舞台は、最初に蒙古(元)・高麗軍の襲来を受けた対馬であり、桁違いな兵力を持つ相手を、知略の限りを尽くして迎え討つ、主人公・朽井迅三郎や対馬の人々の姿が描かれている。

 迅三郎は、もともとは鎌倉幕府の御家人だったが、二月騒動(北条家の骨肉の争い)で反北条時宗側についたため対馬に流され、そこで蒙古・高麗軍が迫っていることを知らされる。島主の娘・輝日姫から、島のために戦うよう命じられた迅三郎は、流人たちや対馬の人々と力を合わせ、蒙古・高麗軍と戦う道を選ぶ。

 なお、「合戦記」ゆえに、迅三郎らと蒙古・高麗軍との血で血を洗う戦いが主軸となっており、息を呑むような迫力ある戦闘シーンが続くが、合間合間に差しはさまれるサイドストーリーが、物語世界に奥行きと深みを与えている。

 特に「壇ノ浦の合戦後、ひそかに対馬に落ちのびていた」「輝日姫の曾祖父」という設定で安徳天皇が登場し、「鞍馬山で謎の男から義経流を学んだ」という迅三郎の幼少期が描かれるなど、随所に源平合戦がらみのエピソードが登場するのが興味深く、「作者は、元寇版『平家物語』を描こうとしているのではないか」とも思えてくる。

 史実では、蒙古・高麗軍は1274年10月5日に対馬に上陸し、同月14日には壱岐島に上陸した、とされている。最新刊(第9巻)では10月10日(6日目)の出来事が描かれているが、果たして幕府からの援軍は間に合うのか、迅三郎や輝日姫らはどのような運命をたどるのか、どのくらいの人々が難を逃れ、生き延びることができるのか(『高麗史』には「元軍総司令官のクドゥンが、捕虜とした日本人の子供男女200人を忠烈王とその妃に献上した」との記述があるものの、日本人の正確な犠牲者数はわかっていない)。7月から、アニメ版の放送もはじまる『アンゴルモア』。今度の展開からますます目が離せない!

文=村本篤信