片づけられない原因は「動線のルール」を考えないから! シンプルライフの提唱者が伝授する“片づけの奥義”

暮らし

公開日:2018/8/3

『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』(ドミニック・ローホー:著、笹根由恵:訳/KADOKAWA)

「片づけ=モノを元に戻す技術」を目からうろこのアドバイスの数々で教えてくれる、『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』(ドミニック・ローホー:著、笹根由恵:訳/KADOKAWA)。
そのエッセンスをお届けする第2回目。今回のテーマは「動線ルールと高さゾーン」です。

 まずは著者のドミニック・ローホーさんをご紹介します。フランス生まれで、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取り、現在は京都在住。様々な国に移り住む中で「快適に暮らすために必要最小限のモノだけを持つこと」を実践し「シンプルライフ」を提案。

 そんな著者による本書には、いくつかの特徴があります。
 オーソドックスな片づけのテクニックに加え、箱やキャビネット、バー、カーテン等を最大限に活用する創意工夫の数々が学べること。「捨てるor残す」を選別する際に強い味方となる、著者ならではのシンプルライフ選別法・発想法もしっかりと学べること。

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 著者は「禅」にも精通しており、本書では、片づけが私たちの心や生き方、幸せな日々や人生に、どう寄与するのかなどの深い部分、いわば“片づけの奥義”が学べること、などなどです。

●片づけられない原因は「動線のルール」を考えないから

 では、ここからが今回の本題です。
 なぜ片づけ(モノを元に戻す)がすぐにできず、気づけば部屋が散らかってしまうのか? その根本原因は、「動線のルール」を考えていないからだと著者は指摘しています。

 動線のルールとは、「モノをもっとも楽で快適に使うために動作とモノの関係を研究したもの」。つまり、「棚のどこにモノを置くかを決める前に、そこに置いたらどんな動作をしなければならないかを考える」ことが、動線のルールに従った片づけ方ということ。
 そこで、あるモノの収納場所を決める際などには、その作業をしている自分を想像し、こう問いかけてみましょう。

 その動きは無理がなくスムーズですか? それとも、厄介で骨が折れますか? どんな障害にぶつかりますか? どんな努力をしなければなりませんか?


 一つの片づけを実行するのに、動作が多ければその分だけ、やる気も低下します。年に1回使うかどうかくらいのモノであれば、多少動作が増えても仕方ありませんが、使用頻度の高いものは、片づけ動作をなるべく少なく、簡便にしていくことが大切です。

 そこで著者は、収納スペースを「奥行ゾーン」「高さゾーン」で区別して、使用頻度の高いもの、低いものを収納していく方法を紹介しています。ここでは「高さゾーン」についてご紹介します。

●使用頻度の高いものは「0.8mから1.8mのゾーン」に置く

 本書で著者が分類する高さゾーンは、「0.5m以下ゾーン」「0.5mから0.8mゾーン」「0.8mから1.8mゾーン」「1.8m以上ゾーン」の4つです。本書では、それぞれのゾーンの特徴から、置くべきものを提案しています。ここでは、「0.8mから1.8mゾーン」について抜粋紹介します。

【 0.8mから1.8mのゾーン 】
(特徴)モノがもっとも見やすく、効率的にすばやく取り扱える。
(置くべきモノ)
1日1回以上使用するもの(下着、衣類、食器など)。または、年間を通じて定期的に使用するもの(日用品、家庭用リネンなど)。衣類をかけるのもこのゾーンですが、衣類はできるだけ高いところにかけるようにしましょう(積み重ねたセーターの山からお目当てのセーターを取りだすのは大変。ハンガーをかけるために腕を伸ばすほうが楽です)。


 本書には他にも、奥行きが深すぎる収納スペースを工夫して使う知恵なども紹介されていますので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 ということで今回は、動線と収納スペースの高さを考えて、頻繁に使うものほど片づけやすい場所を確保することをお伝えしました。「そんなの当たり前でしょ」と思う前に、自分御部屋を見渡してみましょう。きっとどこかに動線のルールを無視した禁断のスペースがあって、モノがたまってしまっているのではないでしょうか?

 次回は、家のキッチンやリビングなど、スペース別の片付けの奥義をお伝えしますので、ぜひ、お楽しみに!

文=松本ひろこ