背が小さいからって着たい服を諦めてない? 147cm“ミニースタイリスト”が教える、小柄だからこそできるおしゃれの極意

暮らし

2018/8/13

『小さいからこそ“こなれる”ルール』(岡野香里/幻冬舎)

 身長が高すぎるのは女子にとって悩みのタネかもしれないが、小柄に生まれるのもなかなか辛いものである。デニムの裾直しをしないで済んだことなんてまずないし、膝丈のスカートを試着すると確実に微妙な膝下丈になってしまう。ジャケットもコートも普通は着丈が長すぎ、かなり厳選しないと買えない。しかも、ここのところ流行のせいか、ボトムスは基本的に丈が長め。ワイドパンツ、ミモレ丈のスカート……どれも身長が低めの人には難しいアイテムばかりだ。

 体重は後天的な努力でもある程度どうにかなるけれど、生まれ持っての身長だけはどうにもならない。

 それでは、平均身長(158cmくらい)を大幅に下回ってしまった人は着たい服を我慢し、おしゃれの制約を甘んじて受けなければならないのだろうか。いや、もちろんそんなことはないし、あっていいわけがない。そのことを教えてくれたのが本書『小さいからこそ“こなれる”ルール』(岡野香里/幻冬舎)だ。

 著者の身長は147cm。160cm超えの女子も珍しくないなか、かなりの小柄さんといえるだろう。そんな彼女だが、ワイドパンツもロングスカートも、マキシ丈のワンピースも着こなす。

もちろん背の高い人が似合う服はたくさんあります。でも、その逆もしかり。背の低い人の方が似合うものだって、たくさんあると思うのです。

 確かに、背の低い人の場合、既製品の洋服を本来のサイズ感で着るのは難しい。しかし、着こなしを工夫すればなんとかなる、と著者はいう。

 そこで役立つのが、著者が考えた「小さい人の3大ファッションルール」だ。

 1つ目のルールは「小さいからといって諦めることは何もない!」というもの。服を買うときは最初から諦めず、まずは試着してみる。第一印象やときめきを大切にして、絶対に着られそうにないアイテム以外は「試したほうが、絶対にいい」と著者。

とりあえず着てみる。もしかしたらその服の正しいサイズ感で着られるわけじゃないかもしれないけれど、意外に似合うこともあるから。

 背が低いからって諦めるのではなく、実際に着てみて似合うものがあったら迷わず着ればいいのだ。

 2つ目のルールは「小さいことは強みにもなる!」というもの。著者によれば、背の低いミニーさんにはミニーさんにしかできない着こなしがあるという。背の高い人が敬遠しがちなヒールや厚底が普通に選べたり、柄ものを着ても悪目立ちしなかったりと、背の低いことにも強みがあるのだ。ちなみに、ブランドの中にはデザイナー自身が小柄なため、小さめな人を基準に作っている場合もあるようだ。そういうブランドを見つけておくと服探しが楽になる、と著者はいう。

 3つ目のルールは「店員さんを味方につけて新たなアイテムに挑戦!」というもの。店員さんはプロなので、着こなしの疑問点などがあったらどんどん伝える。それによって、これまで着る機会のなかった新しいアイテムと出会えることもあるという。アパレルショップの店員と話すことは、自分の世界を広げることにつながるのだ。

 この3つのファッションルールを軸にして、さらに著者は定番アイテム別の着こなしポイントを紹介してもいる。ワンピースはウエスト位置に注意する、ワイドパンツはクロップド丈にする、長い袖は折って調整するなど具体的なアドバイスがてんこ盛りだ。

 もちろん、同じ身長が低めの人でも顔の雰囲気や骨格などによって似合う服は微妙に変わる。もしかしたら著者の着こなしが100パーセント合うという人ばかりではないかもしれない。しかし、それはどのコーディネート本も同じこと。見かけのサイズ表示や着丈に惑わされず、全体的なバランスを考えて服を選ぶ・着る、という著者の基本方針はきわめて実践的だ。

 背の低い人には背の低い人ならではの特権や着こなしがある。そのことを教えてくれる本書は、身長が原因でファッション難民化している人にとって勇気を与えてくれる。着てはいけない服なんてない。臆せずに、まずは積極的にチャレンジしてみることが大切なのだ。

文=紀村真利