な、なんと就職先が、死亡率激高のあの拳王軍!! 気弱な一般男性ノブの運命はいかに!?

アニメ・マンガ

2018/10/16

『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』(倉尾宏:作画、武論尊、原哲夫:原案/徳間書店)

 本作『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』は、核戦争後の荒廃した世界を舞台にした格闘バトル漫画『北斗の拳』のスピンオフ作品だ。原作は、80年代に週刊少年ジャンプで連載され、知らぬ者はいないといえるほど当時の男子小中学生を熱狂させた。誰もが「お前はすでに死んでいる」と主人公ケンシロウのマネをし、恰幅の良い同級生の多くがハート様とあだ名をつけられたはずだ。

 本作の原案は武論尊先生・原哲夫先生の名コンビで、作画は倉尾宏先生が原作の劇画タッチを踏襲しているが、ケンシロウの兄にして最強のライバルであるラオウが率いる「拳王軍」のちょっとおまぬけな面が強調されており、非常にコメディ色が強くなっている。ときには原作とあまりにも雰囲気が違いすぎると感じることもあるだろうが、あくまでもスピンオフとわりきって肩の力を抜いて楽しんでほしい。

 気になるストーリーは、核戦争後の荒廃した世界で暮らすごく一般的な若者ノブが、拳王軍に就職するところから始まる。ちょっと気弱な一般人ノブの目線で、拳王軍の知られざる実態が面白おかしく明らかになっていく。

 まず「職種・軽作業、住み込み三食付き、笑顔の絶えない職場です」といった普通の求人に応募して拳王軍に就職するという点がとてもシュールだ。荒廃した世界の軍の求人にしては、あまりにものどかすぎるのではないだろうか。また拳王軍のザコたちは極端に暴力的なセリフが多いが、怖いというより無茶振りといった感じのため、つい笑ってしまうはず。

 1話完結形式で全17話掲載されている。バレバレのババア変装をする大男、聖帝軍に所属する「汚物は消毒だ~」の火炎放射男など、原作を読んだ人ならどこかで見たことあるようなキャラが毎回のように登場し、意外な組み合わせのからみがしばしば見られる。第2話でノブの歓迎会と称して襲撃した村には、マニア心をくすぐるキャラたちが用心棒として雇われており、原作ファンなら思わずにやりとする闘いが繰り広げられる。

 第1巻では登場していないものの、原作のメイン級のキャラの存在は何人か明らかにされており、主人公であったケンシロウは胸に7つの傷がある男と呼ばれ恐れられている。いずれは拳王軍と楽しくぶつかり合うのだろうか。今後の展開に期待大だ。

文=望月祐作