「仮面夫婦」を英訳すると… 小学校で習ったあの四字熟語、英語で言える?

暮らし

2018/10/29

『小学校で習った四字熟語を英語で言えますか?』(守誠/サンリオ)

 学校で習った四字熟語。たった四文字で様々な意味を表現する日本語の奥ゆかしさを感じる。では、その四字熟語を英語で表現するとどうなるだろう。たとえば「弱肉強食」はこうなる。

the law of the jungle

“動物間の残忍な争い”のイメージ漂う四字熟語の雰囲気が、英訳しただけで和らぐ。ちょっと驚きだ。この英語を日本語に直訳すると「ジャングルの法則」。強い動物が弱い動物を食いちぎるイメージが抽象化され、美しい自然の摂理を想起させる。

 このように四字熟語を英訳すると、別の視点で意味をとらえることができるのだ。日本語と英語の、いや、日本と英語圏の文化の違いと言っていいかもしれない。

『小学校で習った四字熟語を英語で言えますか?』(守誠/サンリオ)は、四字熟語を英語表現に直したものをひたすら紹介する書籍だ。本というより辞書に近いかもしれない。出版もおこなうサンリオでは、この「小学校で習った~」シリーズを計5冊刊行しており、その累計販売部数は100万部を超えるそうだ。本書はそのモンスターシリーズの1冊。いくつかご紹介していこう。

 まずは私たちの憧れ「億万長者」。

billionaire

 うーむ、英字から漂う豪華な雰囲気。四字熟語をたった一単語で表現してしまうところも、億万長者のひょうひょうとした印象に被る。

 一方、私たちの現実を映し出すのが「給与明細」。

pay slip

 この「slip」という単語は、私たちの手から離れていく金を表現しているのだろうか。……深く考えるのはやめよう。

 社会人が聞くと嬉しい言葉がある。「福利厚生」「育児休業」「有給休暇」の3つだ。順にまとめてご紹介しよう。

welfare
childcare leave
paid vacation

 おぉ……なんと甘美な響きだろうか……。一方、「経費節減」「人員削減」「懲戒免職」はこうなる。

cost reduction
personal cut
disciplinary dismissal

 社会人が聞いて怯える言葉は、英語であってもどことなく暗い雰囲気が漂うようだ。悲しいなぁ。

 そろそろ年末にさしかかるので、クリスマスに向けて心が湧き立つ人がいるはず。そんなときはこんな英訳を覚えておくといいかも。

交際宣言
commitment

恋愛感情
love feeling

夫婦円満
happy marriage

 それどころではない人は、こんな言葉がある。

独身貴族
swinging bachelor

仮面夫婦
couple married in name only

離婚訴訟
divorce suit

 仮面夫婦の英訳の破壊力に寒気がする……。「名ばかりの結婚」とは……恐ろしい……。

 言葉は人の思考を支配するので、言葉が違えば物事の見方が変わる。本書は四字熟語を英訳したものだが、読み進めると日本と英語圏の文化の違いを痛感する。英訳って面白い。

 ぜひ読者も拍手喝采(applause)な本書を一読してほしい。きっと毎日が自由自在で(with perfect ease)順風満帆な(everything is going well)ものになるだろう(記事の締めがルー大柴さんみたいになってしまった……)。

文=いのうえゆきひろ