あなたの「壁」はどのタイプ? 残念な人と一流の差は紙一重

ビジネス

2018/11/15

『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか 何歳からでも人生を拓く7つの技法』(田坂広志/ダイヤモンド社)

「優秀な人ほど成長が止まってしまう」…みなさんはそんな逆説を耳にしたことがあるだろうか。仮に聞いたことがなくても、もしかすると周りを見渡すとこの逆説の意味が分かるようになるかもしれない。一番わかりやすいのが、「高学歴で、若手社員のころはありとあらゆるものを吸収しながら伸びて見えていたのに、中堅を過ぎたらその傾向がピタリと止んでしまった人」だろう。

 こうした例以外にも、途中で成長が止まってしまう優秀な人のパターンはいくつかある。『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか 何歳からでも人生を拓く7つの技法』(田坂広志/ダイヤモンド社)は成長が止まってしまう残念な人が直面する7つの「壁」を紹介し、その壁を乗り越えるための類型別対処法を説く1冊だ。

■成長する人は自分の「壁」を知っている

 成長できない人は自分が優秀であること「しか」知らない。それに対して、成長できる人は自分が優秀であることを知っているだけでなく、どのような失敗をし、そこにどんな失敗の原因が内在し、どのような教訓を得られるのかということを知っているのだという。「壁」を知っておくことは、それだけ重要な問題なのだ。

 本書では、成長できない人が直面する事態を「成長を止める壁」と表現する。その7つの壁とは以下のような形だ。

(1)学歴の壁=「優秀さ」の切り替えができない
(2)経験の壁=失敗を糧として「智恵」をつかめない
(3)感情の壁=「感情」に支配され他人の心がわからない
(4)我流の壁=「我流」に陥り優れた人物から学べない
(5)人格の壁=つねに「真面目」に仕事をしてしまう
(6)エゴの壁=自分の「エゴ」が見えていない
(7)他責の壁=失敗の原因を「外」に求めてしまう

 この中からひとつの「壁」を取り出して、詳しく見ていこう。

■「我流」がぶち当たる壁

 我流でなんでもやる人よりも、習得すべき基礎をしっかり学んだ人のほうが伸びやすい――こうしたことはスポーツや芸能の世界では当たり前のように語られるが、ビジネスにおいてもやはり「我流」は途中で伸びなくなってしまうという。

 そうなってしまわないための対策として、仕事術に関する本やテキストをひたすら読むことが最良なのかといえば、それは否である。わたしたちが仕事をしていく上では、知識ももちろんだが、それ以上に「経験」から学ぶことが大切だからだ。

 重要になってくるのは、師匠から学ぶという視点である。たとえば、あの人のプレゼンは最高だとか、先輩の営業のトークには聞き惚れるという、自分なりの「師匠」を探して、その優れた一面を真似る(=学ぶ)ことでビジネスにおけるひとつの技術が身につけられる。

 ここで注意しておきたいのは、その技術の表面的な部分を真似るのではなく、そのときの雰囲気や人柄までもを一緒に吸収しなくてはならないという点だ。そうでなければ、単なる猿真似になってしまいかねない。

 本書は、「わたしはまだ成長の真っ最中だから、読む必要はない」と思っている人にこそ手に取ってもらいたい。そうすれば、「きっとそうでない」ことにすぐ気づくだろう。成長が止まってしまった(と思われている)人も、本書を通じて「壁」を理解することができれば、次の新しい成長の波に乗ることができるはずだ。

文=ムラカミ ハヤト