『神様はじめました』の鈴木ジュリエッタ、最新作『忍恋』は現代忍者ラブコメディ!!
公開日:2019/2/23
「男子ってずるい!」と思うことは、けっこうある。面倒な朝の支度も一瞬で終わりそうだし、お腹いっぱい食べても太らなさそうだし、力仕事だってバリバリできるし。でも、女子の特権だって捨てられない。スイーツは大好きだし、スイルするのも楽しいし、少女漫画で胸キュンしたいし!(言うまでもなく、この楽しみがわかる男性は最高。)
『忍恋』(鈴木ジュリエッタ/白泉社)の主人公・杏子(あんこ)も、「男に生まれていたら」と思ったことのある女の子のひとりだ。
それまでの杏子なら、なにをやっても一等だった。だが成長するにつれ、男子たちに背丈も走りも抜かれていく。杏子の夢は、強い忍びになることだ。もうこれ以上、「女の子」になんかなりたくない。そんなふうに思い悩んでいたある日、外界から客人がやってきた。
“鬼”の正体は、名家・華山院家の嫡子、楓(かえで)。近く当主となる彼が里を訪ねた目的は、若く優秀な忍びの中から、華山院家専属の側忍(そばにん)として召し抱えるひとりを選抜することだった。名家専属の忍びといえば、忍びの中でもエリートしか就くことのできない、憧れの就職口だ。杏子は、自分が選ばれてみせると奮起するのだが……。
生まれたときから華山院の家にいるという朝霧は、女っぽいけれど男の子。杏子は彼と近づくうちに、彼も自分と同じく、やるせない悩みを抱えていることを知る。朝霧に、ひとときでも悩みを忘れさせてやりたい。そう考えた杏子は、朝霧をとっておきの場所に連れていく。
平成も終わろうとしている今、「男らしさ」「女らしさ」という言葉はもはやナンセンスだとも言える。けれど、身体構造や体力の差は、どうしたって埋められない。しかし、そこで視点を広げてみると、個々の人間が持つ“違い”は、男女差のほかにもいろいろだ。生まれた時代、育った家、肌の色や瞳の色――むしろ、ぴったり同じ人間を探すほうが難しい。
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