元・保護猫「くまお」と運命の出会い! 里山育ちの怖がり猫が飼い主に心を許すまでの1か月間

暮らし

2019/3/1

 猫を迎えるときに、保護猫を選択肢の一つとして考える人が増えています。でも、「人間に慣れるの?」「飼うのが大変では?」と不安に思う人もまだ多いようです。そこで、「元・保護猫」の「くまお」と暮らす鎌田さんに、くまおを迎えることになった経緯と、くまおが鎌田さんに慣れるまでのエピソードをうかがいました。

壮絶な介護の末にペットロス
新たに迎えるなら保護猫を

 じつは、ずっと犬派だったという飼い主・鎌田さんは、結婚後に飼いはじめたロシアンブルーとの生活で、猫のかわいさと、いっしょに暮らす快適さを知ったといいます。みうさんと名づけられたその猫は、大病を患い、16歳のとき鎌田さんが看取りました。「人生で初めて、命と向き合うという体験をしたんですよね。看取ったあと、どうしても介護のことを思い出してしまうので、仕事が終わっても家に帰れない状況がしばらく続きました。完全にペットロスだったと思います」

 しかもそのとき、鎌田さんのご主人は、大阪に単身赴任中。「すごく心配して、『うちはいま、猫を飼える環境なんだよ。飼えば、1匹助けられるんだよ』って言ってくれて。次に迎えるとしたら保護猫だねと、主人と前から話していたんですよね」。でも、実際に譲渡会に行ってみたものの、一歩踏み出せずにいた鎌田さん。「みんなかわいいけど、迎えるとなると責任が伴いますよね。そんなとき主人が『すごいのがいるよ』と写真を送ってくれて、それがくまおだったんです。その写真を見た瞬間「わあ! この子だ」と思って、すぐに里親募集サイトから問い合わせをして、お見合いをしました」

会いに行ったら目の小ささにびっくり(笑)
シャーシャー言う姿もかわいくて

 くまおを保護したのは、鎌倉市とその周辺でTNR活動(地域猫活動)をしている「NPO法人・湘南鎌倉猫ほっとさぽーと」という団体。「くまおは横須賀の里山にいて、たまに近所のおじいさんにエサをもらっていたらしいです。通報があったのか、ボランティアさんがくまおを保護して動物病院に預けたら、腸のヘルニアが見つかって。まずヘルニアの手術をすることになり、そのあと去勢手術もすませたので、保護期間が長期になったんでしょうね。地域猫として里山に戻すつもりが、もしかしたらこの子は里親が見つかるかもしれないと募集をかけたところ、うちがその3日後に手を挙げたそうです」

 さて、シェルターでくまおとケージ越しに対面した鎌田さん。「目が小さいのにびっくりしました(笑)。ビビリでシャーシャー言っているんですけど、そのシャーシャーもかわいくて。怖がって固まっているから、くまおのボディとか全体像がまったく把握できないんですけど、でもこの子を迎えたいと思って伝えて、譲渡契約をしたその翌週には自宅に連れてきてくれました」

迎えたくまおは極度の怖がり
ソファの下に1カ月籠城

 極度に怖がりのくまおですから、鎌田家に慣れるまでに当然、時間がかかりました。初日は、テレビの裏に隠れて、2日目からソファの下に籠城。「一週間ぐらいたって、さすがに無理かもしれないと思いました。ごはんもほとんど食べていないので体調を崩したらどうしようと思っていた矢先に、ソファからさっと出てきてごはんを食べて、また戻るようになって。これは時間をかけたらたぶん大丈夫だなと思いました。そうしたら、ある日トコトコ出てきて床の座布団に座ったんです」。迎えて1カ月が過ぎていたそうです。

あせらずゆっくりかまえるのが
大人の保護猫と暮らす秘訣

「くまおは、大人の保護猫のビビリな子の典型だと思うんですけど、ゆっくり時間をかけたら、じわじわと近づいてきてくれて、その感じがたまらなくかわいい。捕獲されたトラウマなのか、いまもだっこは怖いようです。でも、ベッドでなでられるのが大好き。わたしが仕事から帰ると、まずごはんではなく、ベッドへと小走りでわたしを誘導するんです。ベッドの上に乗ってごろんとするので、そのまま10分ぐらいなでると、満足して『さ、ごはん食べに行こうか!』となるのが日課です(笑)」。

 あせらず時間をかけたからこそ、くまおが投げかけた愛をのがさずキャッチできた鎌田さん。「わたしにとってくまおはほんとうに福猫で、いろんな縁をもらいました」

保護猫の魅力を伝えるべく
日本各地でイベントを開催

「保護猫活動のボランティアさんは、土日返上で、ほぼ自費で活動されているかたが多いです。せめてもの恩返しをと約3年前、くまお本を作り、インスタグラムでお知らせして500冊ぐらい買っていただきました。その収益のすべてを、くまおを保護した団体に寄付しました。そのとき本を購入してくれたかたがたが『いつも写真に癒やされています』とか温かいメッセージをくださって。そのかたがたにもなにかお礼をしたいと思って、最初のイベントを開催しました」。

 昨年、「一般社団法人くまお」を立ち上げた鎌田さん。保護猫のことを楽しく知ってもらうため、「くまおが山からおりてきた展」というイベントを東京、大阪、宮城、鹿児島、長野、福島、岩手などで開催しました。今後の予定については、鎌田さんのブログやインスタグラムをチェックしてください。

https://www.instagram.com/kumaokamako/
http://kumao.co

『元・保護猫と世界一幸せに暮らす方法』(白岩千鶴子:監修/主婦の友社)

『元・保護猫と世界一幸せに暮らす方法』(白岩千鶴子:監修/主婦の友社)には、くまおのほかにも、どんこやぐっぴー、ぶさおなど「元・保護猫」と幸せに暮らす人たちの実例が満載。幸せを満喫する猫たちの写真も、猫好きにはたまりません! ペットショップへ行く前に読んでほしい一冊です。