思わず「ラーメン、食いてぇーーー!」と叫んでしまう漫画6選

マンガ

更新日:2020/9/30

  日本人が愛してやまない国民食「ラーメン」。醤油、味噌、塩、豚骨、鶏白湯ラーメンにつけ麺……店によって味も個性も大きく異なることから、全国各地のラーメンを食べ歩く求道者も多いですよね。魅惑の料理「ラーメン」が登場する漫画作品を独断と偏見で選出し、みなさんに「ラーメン、食べたい……!」と、つぶやいてもらおうという飯テロ企画です。

■『ラーメン大好き小泉さん』(鳴見なる/竹書房)

 筋金入りのラーメンマニアのJK・小泉さんのラーメンライフを描く同作。普段はクールでミステリアスな彼女は、ラーメンを前にすると目の色が変わるほどのラーメン好き。

 第1話では、具体的な店名は出ないものの、麺が見えないほど山盛りの野菜と厚切りチャーシューが人気のラーメン●郎を彷彿とさせるラーメン店が登場。自らオーダーした「ぶたダブルヤサイマシニンニクアブラカラメ」を前にした小泉さんは、全力で麺をすすり、豪快に具材を食べてスープを飲み、恍惚の笑顔で「はーーーー」と、大きなため息をつく。ラーメンを食べて幸せを見出す小泉さんと、普段のクールな小泉さんのギャップがたまらない!

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ラーメン×かわいい女子 高生という、みんなが大好きな要素が詰まった作品です。

©鳴見なる/竹書房

■『闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん』(真鍋昌平:原作、山崎童々:漫画/小学館)

 大人気漫画『闇金ウシジマくん』に登場する滑皮さんの日常を描く『闇金ウシジマくん』のスピンオフ作品。本編屈指の最凶ヤクザ・滑皮さんの日常は、暴力とラーメンにあふれており、さまざまな修羅場でラーメンを喰らいます。ときには、かつての兄貴分を監禁して尋問しながら「台湾まぜそば」を食べたり、本編にも登場したヤンキーくん・愛沢が開いたラーメン店に“水”を売りつけに行ったり……とてもアクティブな滑皮さん。と、それに振り回される情報屋・戌亥の哀愁が見どころです。

 同作の「背脂ギトギト! ラーメンと暴力の濃厚マリアージュ!!」というキャッチコピーに違わぬ、バイオレンス裏社会ラーメン漫画です。

■『ラーメン食いてぇ!』(林明輝/講談社)

 冒頭は遠いウイグルの地で事故に遭った料理研究家・赤星が行き倒れになっているシーンからはじまります。赤星は、かつて取材で訪れたラーメン屋「青蘭」の味が忘れられず「青蘭のラーメンが食いてぇ!」と叫び、日本に帰ることを決意します。

 一方、赤星が愛する「青蘭」の店主・紅は最高のビジネスパートナーだった妻を亡くし、店を続ける自信を失っていました。紅の孫・茉莉絵はよからぬウワサが学校中に広まり、自殺未遂を図るも、紅の輸血と「青蘭」のスープで一命をとりとめ、祖父の店を継ぐことを宣言し、3人の運命が回り始めます。一杯のラーメンが人々の人生を変える、ラーメン人情物語です。

「青蘭」のラーメンは、奇をてらわないシンプルなものですが、希少な岩塩を使い、麺打ちや茹で方にも真面目に取り組んだ一杯。ラーメン作りの工程がとても丁寧に描かれおり、タイトルに違わず「ラーメン食いてえ!」と思える作品です。

 ラーメンを楽しむ方法は、店で食べるだけではありません。自己流にアレンジして食べるインスタントラーメンは、店の味とはまったく違うおいしさがあるのです。ここからは「自己流インスタントラーメン」が登場する作品をご紹介。

■『きのう何食べた?』3巻(よしながふみ/講談社)

 弁護士の筧史朗(シロさん)と、その恋人で美容師の矢吹賢二(ケンジ)という、男性カップルの同棲生活を、日々の食事を通して描いた漫画『きのう何食べた?』。同作の3巻にも、自己流インスタントラーメンが登場します。

 年末年始、自宅でひとり年を越すことになったケンジは、年越しそばとして「サッポロ一番みそラーメン」をチョイス。白菜・もやし・にんじん・長ねぎ・わかめ・豚肉・卵を入れた、具だくさんのみそラーメンを作ります。しかも、具をしっかり炒めてバターを落とすなど、こだわりを感じるアレンジが満載です! 手軽さが魅力のインスタントラーメンですが、ときにはこだわりを発揮してみても楽しそうですね。

■『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(超平和バスターズ:原作、泉光:漫画/集英社)

 2011年にアニメが放送され、人気を博した『あの花』。同作は、小学生の頃に結成した「超平和バスターズ」というグループのメンバー・めんまの死によってバラバラになっていた彼らが、突然現れためんまを成仏させるために奔走するファンタジー作品です。

「あの花」の冒頭は、主人公のじんたんが、即席麺の塩ラーメンを作るシーンからはじまります。ラーメンに入れた卵を崩さない派のじんたんと、かきたまラーメン派のめんまが攻防戦を繰り広げるのです。たしかに、ラーメンに入れる卵の形状に論争はつきもの。本編とはあまり関係ない設定ですが「卵そのまま派」か「かきたま派」なのか問われている気がしました。

■『山と食欲と私』1巻(信濃川日出雄/新潮社)

『山と食欲と私』は、ひとりで登山をする“単独登山女子”の日々野鮎美が、登山中の食事を堪能する、山頂グルメ漫画。第2話では、登山にガスバーナーと鍋を持参し、沸かしたお湯でインスタントラーメンと、少し高級なソーセージを茹でる「欲張りウインナ~麺」を調理。弾けるウインナーの香りに、周りの登山者も、思わず「う…うまそう~~~っ」と、声が漏れる仕上がり。

 山を登った者だけが味わえる、魅惑のラーメン。ラーメンを食べるシチュエーションにこだわりたい人は、挑戦してみては?

 本稿で紹介した作品はほんの一部。これからも、日本人のラーメン熱が冷めないかぎり、さまざまな切り口で新たなラーメン漫画が生まれてくるはず……そんな気がします。

文=丸井カナコ