謙虚すぎるのはNG!? 恋愛も仕事もうまく回したい女子のための“溺愛理論”

恋愛・結婚

2019/3/15

『無理もしない 我慢もしないで愛される溺愛理論』(瀬里沢マリ/評言社)

「恋愛は相性やフィーリングの問題だから、いくら理論やテクニックを学んだところでムダ」そう思っている人には『無理もしない 我慢もしないで愛される溺愛理論』(瀬里沢マリ/評言社)の一読をおすすめしたい。本書は「脳科学者が恋愛の常識を覆す」をキャッチフレーズに、男性に「溺愛」されるための方法を解説している。

 なんとも強力なワードだ。辞書で調べると、溺愛とは「むやみにかわいがること。盲目的に愛すること」とある。一般的には親が子を溺愛する、祖父母が孫を溺愛するという使い方をイメージする人も多いだろう。この言葉には、小さくて弱い者が自分よりも強いものに守ってもらうというニュアンスを感じて、少し居心地の悪さを覚える人もいるかもしれない。しかし、本書を読むと戦略的に「溺愛」状態は作り出せることが分かる。

 恋愛術に関する類書との違いは、本書が科学的なアプローチで書かれていることかもしれない。本書は、同じ男性に3回もフラれた経験を持つ著者が、その後80冊以上の本を読んで得た恋愛のテクニックを検証したものだ。著者自身が出会った様々な業界やプロフィールの男性の傾向と対策を、仮説、データ収集、分析のステップを経て導き出している。その結果、どんな男性でも男性の本質部分は同じという結論に達したという。その本質とは「好きな女性に尽くしたい」というものだった。

 男性に尽くしてもらうための最大の障害は「謙虚さ」であるという。謙虚であることが美徳とされる日本では、相手に迷惑をかけてはいけないと思っている女性は多い。何か申し出があっても「大丈夫です」「自分でできます」と答えてしまう人は少なくないはずだ。ところがこのように申し出を断ってしまうと、相手からすればせっかくの厚意を受け取ってもらうことができないため、不完全燃焼となる。それよりも相手にやってもらうことの方が、双方にとってハッピーなのだ。

 そのときに忘れてはいけないのは、感謝をすること。1回では少ない。少なくとも3回感謝の言葉を伝えることで、相手は人の役に立つことができた満足感を得ることができる。感謝の言葉は、相手を肯定することだ。それは自信にもつながる。自分を肯定してくれる人や自信をつけてくれる人に会いたいと思うのは人の自然な感情なので、それを上手に活用しようというのが本書の言わんとするところだ。

 本書で紹介しているのは恋愛に使えるテクニックである。しかし、これは仕事の上でも有効だと感じる。実際、この溺愛理論を職場で使っている人の中には人間関係が良好になり、年収アップや希望の部署への配属などキャリアの面で好循環に入っている人もいるという。また、すでに結婚している人にとっても役立つテクニックだ。特に共働きの家庭では家事や育児の分担について不満があっても「お互いに忙しいから我慢しなきゃ」とか「なんで分かってくれないの」と女性側がイライラを募らせているケースも多い。

 溺愛理論で述べているのは「やってほしいことを明確に伝える」こと。忙しいからこそ伝えることが重要なのだ。いくらパートナーであっても超能力者ではないのだから言わなければ伝わらない。そのイライラは自分で作り出していることを、私たちはもっと認識するべきかもしれない。

 人は誰でも、他人から好かれたいという気持ちを持っている。しかし、何もしないで愛されることはない。相手にしてほしいことを明確に伝え、そして気持ちよくやってもらうためには頭を使う必要がある。本書を読むと「溺愛される」という一見受動的な行為であっても、続けるためには能動的なアプローチが必須であることが分かるだろう。コミュニケーションに苦手意識を持っていて、科学的に理解したいと考えている人におすすめの一冊だ。

文=いづつえり