あの『おっさんずラブ』がマンガに!はるたん、牧、黒澤部長の三角関係に、胸キュン再び!

マンガ・アニメ

2019/4/7

『おっさんずラブ』(山中梅鉢/講談社)

 SNSを中心に人気が広がり、2018年ユーキャン新語・流行語大賞トップテン入りも果たしたTVドラマ『おっさんずラブ』。今夏には待望の映画化も決定しており、放送終了後も根強い人気を誇っている同作のコミカライズ版『おっさんずラブ』(山中梅鉢/講談社)が遂に登場。ドラマに出演していた俳優陣の表情や仕草まで丁寧に再現されている。

 主人公の春田創一(はるた・そういち)は、運命の恋を夢見て合コンに挑むが失敗続きの冴えない独身男。ある日、ひょんなことから上司である黒澤部長のスマホ画面とパソコンフォルダを見た春田は驚愕する。なんとそこには、自分の顔写真が大量に保存されていたのだ。予想外の出来事に戸惑う日々を送るなか、本社から若手エースの牧凌太(まき・りょうた)が異動してくる。そして、同居していた母親に家出されて困っていた春田と、部屋探し中だった牧の同棲が始まるのであった。

 ドラマファンのなかで人気の高い、牧から春田への強引な初キスシーンでは「春田さんが巨乳好きなのは知ってます…でも…巨根じゃダメですか…?」と、切ない表情で問いかける牧の姿が非常に印象的。モノクロマンガである本作を読んでも、当然“音”は聞こえない。しかし、このシーンを読むとまるでその場にいるかのように、牧の溢れる想いや突然のことに動揺する春田の鼓動が手に取るように分かるのだ。

 また、1巻には作中の名シーン「黒澤部長と牧の春田を巡る屋上バトル」も収録されている。

“かわいすぎるぅ 存在が罪ぃ”
“皿洗いしない ちょっとそれ一口ちょーだいって言う(中略)うつぶせで寝るぅ”

 口を尖らせながら大好きなはるたんの悪いところを絞り出す黒澤部長と、同棲しているが故のプライベート感溢れる悪いところを次々と挙げる牧。そして、二人の言い争いを見て大声で仲裁する春田。可愛いセリフとテンポによってポップに感じるが、恋をしているときの余裕のない焦りや嫉妬も表現されている、微笑ましくも切ないバトルシーンである。

 ドラマ放送開始当初、本作は男性同士の恋愛模様を描く異色の物語として注目されていた。しかし、これほどまでに幅広い層からの人気を集めたのは、作中に“恋をしたときの純粋な想い”が鏤められていたからだ。彼らの言葉からは、好きな人へのまっすぐで澄んだ気持ちが思い起こされる。マンガ『おっさんずラブ』だからこそ表現できる、繊細で切ない、それでいて心がときめく描写を楽しんでほしい。

文=山本杏奈