「ホイホイ定位置に戻せる♪」仕組みづくりで、収納ストレスから解放!

暮らし

2019/4/23

『悦な収納のすすめ』(本多さおり/主婦の友社)

 雑誌やテレビで見かけるような、スッキリと片付いたお部屋は理想的。しかし、現実では「片付けないといけない…」と思えば思うほど取り掛かるのが億劫になり、家の中が乱雑になってしまうもの…。

 しかし、たとえモノが散らかったとしても頭を使わずにホイホイと定位置に戻せる仕組みが整っていれば、片付けに対して必要以上に身構えなくてもよくなるはず。『悦な収納のすすめ』(本多さおり/主婦の友社)は、どんなに散らかっても「すぐに片付けられるから大丈夫」と安堵できる収納術をまとめた1冊です。

 家の中は家族みんなで取り組まねば、キレイにできません。ところが、夫や子どもに自分と同じ熱量で片付けに取り組んでもらうのは難しいものです。そんな時こそ、“悦な収納術”の出番。著者である本多さんは人優先の収納法を提案しているため、片付けを通して家庭の空気がピリついてしまう心配もありません。

 では、実際にどんなことを心がけていけば家族みんなでキレイな家を維持できるのかを、詳しくご紹介していきます。

■モノが片付く道しるべを作ろう

 家の中を片付ける時はどうしても最初の一歩が重たくなりますが、本多さんいわく、それは収納の仕組みに問題があるサインなのだそう。問題を解決するには「どうすればモノが楽に片付くか」を考え、悦な収納を取り入れていく必要があります。

 本多さんが提唱する“悦な収納”を実践するにはまず、4つのポイントを意識。
(1)生活に合っていること
(2)分かりやすいこと
(3)ぎゅうぎゅうではないこと
(4)掃除がしやすいこと

 スッキリとした家を手に入れるには闇雲に片付けるのではなく、家族みんなが意識できるような分かりやすいルールを設けていくことも大切。4つのポイントを踏まえ、“モノが片付いていく道しるべ”を作ることができれば、日々の片付けは想像以上に楽になります。そのためには、これからご紹介する収納術を参考にしていきましょう。

■ドアは収納の特等席に!

 家の間取りはそれぞれ違いますが、どこの家にも必ず存在しているのが、ドア。ドアは実はピンポイントで人が通る、逃れようのない「動線上」だからこそ、収納の一等地に。本多さん自身もドア用フックやドアハンガーを活かし、吊るす収納を実践しています。

 ドアを有効活用すれば、夫が脱ぎ散らかしがちなスーツやジャケットにも定位置を作ることができ、奥さんがイライラする回数も減っていくはず。衣類だけでなく、はたきなどの掃除用品を吊るせば、利便性が上がるといううれしいメリットも得られます。本多さんが教えてくれる悦な収納は、わざわざ家具を買い足さなくても今あるものを活かし、実現させられるのです。

 こうした悦な収納は、暮らしの変化に合わせてアップデートさせていきましょう。子どもの成長や趣味の変化、加齢などによって私たちのライフスタイルは日々変化していきます。だからこそ、モヤモヤとした気持ちを抱いた時は気づかないフリをしないで、「もっといい収納法があるのでは…?」と考えてみる必要があるのです。

 その際は心や頭が疲れないよう、見直し時間は1時間以内にしておくのがポイント。毎日のちょっとした見直しこそが、“悦な空間”を作るカギとなります。

■“悦な習慣”で夫や子どもを片付け上手に

 自分自身が収納に目覚めても、パートナーである夫や子どもが何度言ってもモノを片付けてくれないと苛立ちが募ってしまいます。しかし、そんな悩みは家族に合わせた“悦な習慣”を取り入れることで解決できます。

 実際、本多さん宅でも家族の性格や子どもの成長に合わせた“悦な習慣”を取り入れているそう。例えば、家族がモノを置きっぱなしにしたときは相手にインタビューを行い、改善策を見いだすのもひとつの方法です。

 家の収納法は、自分では完璧だと思っていても家族からしてみればルールが分からない場合も少なくないので、相手からのクレームに耳を傾ける機会を設け、すれ違いをなくしていきましょう。イラっとしてしまいがちなクレームは、収納を改善するきっかけになるのです。

 また、子どもがおもちゃを片付けてくれない時は、好奇心をくすぐるプラスの工夫をし、収納を習慣化させるのもおすすめ。本多さん宅では、ある日なにげなく、おもちゃ収納に使っている木箱に「おやすみ」と言いながら目隠し布をかけ、朝に「おはよう」と言って布を取ってみたそう。すると、その習慣がごっこ遊び好きの3歳児にクリーンヒット。翌日から、自分で布をかけたりとったりするようになったのだそう。

“本当になにげなく行ったことでしたが、なんと幸運なことに「遊ぶ」「遊びを切り上げて片付ける」行動のメリハリをつけてくれました。同時に、布をとるときのワクワク感も演出できているようです。”

 オープンな木箱は子どもの収納に適したアイテムですが、プラスの工夫でさらに悦なモノへと変身したのです。

 どれだけ家の中が美しくても、家族の仲がピリピリしていては寂しいもの。収納熱が高まると、無意識のうちにマイルールを相手に押し付けてしまうこともありますが、コミュニケーションを深めながら楽しく片付けられるよう、悦な収納をマスターしていきましょう。

「収納は苦手で考えるのも億劫…」と感じ、日々の小さなイライラや不自由さを我慢している方は多いはず。しかし、そのイライラは悦な収納の原石。汚部屋を変身させるカギは日々の不満にこそ、眠っているのです。

文=古川諭香