男子35歳を過ぎたら「黒の服」を選ぶのはNG。迷ったらネイビーとあの色を選ぶのが正解

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公開日:2019/5/3

『ガンバらないからカッコいい 35歳からのおしゃれ術』(藤巻英治/彩図社)

 三十路にもなれば、友だちと「オッサンになったよなぁ」と会話する機会も増えてくる。かつてのように、夜な夜な飲み明かしても翌日に仕事ができるほどの体力もなくなり、日常でのトキメキも少しずつ失われていく…。思うことは数あれど、「ファッション」もまた悩みの種で、気持ちだけが20代のままでいる自分がふとただ“若づくりしているだけ”では? と現実に打ちひしがれるときもあるだろう。

 では、誰にどんな教えを請えばよいのだろうか。書籍『ガンバらないからカッコいい 35歳からのおしゃれ術』(藤巻英治/彩図社)は、そんな世代へ向けてファッションの何たるかを説く1冊。肩肘張らずに実践できる、オッサンならではのおしゃれ術を分かりやすくていねいに解説してくれる。 

■無難な黒は避けるべし。迷ったらネイビーかオリーブでOK

 ひとくちにファッションといっても、さまざまな切り口が思い浮かぶだろう。男性は女性にくらべると洋服の種類が少ないため、周りとの変化をつけるためには“色選び”は外せない要素だと本書はいうが、その選び方にはコツがある。

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 例えば、定番かつ無難に選びがちな“黒”は、オッサン世代にとっては「けっこうハードルが高い」と説く。迷ったときは「間違いないだろう」と考えがちだが、ハズシ加減を理解できるような上級者でないと合わせるのが難しく、あえての“ちょいワル”っぽさを演出したり、モード系に走ったりといった確固たる意志がなければ選ぶべきではないという。

 では、どんな色が好ましいかといえば、オッサン世代は迷ったら「ネイビー」または「オリーブグリーン」を選べというのが本書の答えだ。青みがかったネイビーは、シャツの色に採り入れればカジュアルでも清潔感があり着やすい。カーゴパンツに代表されるオリーブグリーン・カーキは、多少汚れても味わいが増す上に、デニムほど周囲とかぶらないというメリットもあるためだ。

■無造作ヘアはNG! 知的に見えるデコ出しスタイルで決める

 ファッションだけでなく、髪型も見た目のイメージを大きく左右する要素だ。年齢を重ねるにつれて毛が頼りなくなってきたり、人によっては白髪が増えたりとするが、そればっかりは本当に“しゃーない”と割り切った方がよい。しかし、あきらめる必要はない。本書はいっそ「オッサンを恥じるな! 変に若者のマネすんな!」と発破をかける。

 本書がNGとするスタイルのひとつが、オッサンの“無造作ヘア”だ。ワックスで髪をつまんではねじり、毛束を作ってクシャッとさせる今や見慣れたヘアスタイルであるが、三十路を過ぎて年を重ねてからだと「単に寝起きの人、だらしない人、現実を直視できない人」とみられる可能性もあるという。

 その代案としておすすめしているのが、デコ出し(額を出す)スタイルだ。やり方はさほど難しくはない。ワックスなど整髪料を手のひら全体に伸ばしたあと、後頭部、サイド、上、前の順番にまんべんなくいきわたらせるだけ。最後に両手で一気に後ろへいさぎよく流せば、ものの数分で完成する。オールバックはどうも…という人は、前髪を横に流しつつデコを出す程度でも可だそうだ。デコ出しヘアには、人を知的にみせる効果もあるという。

 この他、本書ではインナーやアウター、ボトムスの選び方など、ときには手厳しい言葉を投げかけつつも、かなり細かくていねいにオッサンならではの“おしゃれ術”を紹介している。若さにしがみつくことはあきらめて、“年齢にふさわしい格好”をすればきっと周囲にも魅力的に映るはず。ぜひ、参考にしていただきたい。

文=カネコシュウヘイ