“家事はやらなくていい”――家事を「ゼロ」にできる技術とサービスを知ろう

暮らし

2019/6/3

『ゼロ家事』(本間朝子/大和書房)

 夫婦共働きの家庭が増えている昨今。毎日仕事と家事に追われて1日があっという間に終わるという生活を強いられている人も多いのではないだろうか。

 事実、2017年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、18歳未満の子がいる世帯における働く母親の割合が7割を超えたと発表。つまり現代は“男は外に出て働き、女は家庭を守る”という時代ではないのだが、家事のこととなると“本来女性がやるもの”という考え方がいまだ根強く残っているように思える。

 そんな世の中のプレッシャーと戦いながら現代を生き抜く女性たちに家事を効率化するメソッドを提案するのが、家事プロデューサー・本間朝子さんの『ゼロ家事』(大和書房)。本間さんによれば、家事を助ける商品やサービスが進化する今、毎日の家事を「ゼロ」にすることは決して夢ではないという。本書はこれまで当たり前だと思っていた家事の常識を180度変えてくれる1冊だ。

家事をゼロにすれば、1日2時間が自由に使える

 働く女性の中には“家事はできるだけ丁寧に、しっかりこなさなければ”というプレッシャーに苛まれる人が多くいる。これは育ってきた環境に大きな要因があり、今活躍している女性たちの親世代、つまり「良妻賢母」の教育を受けてきた専業主婦の価値観が彼女たちの中に自然と植え付けられてしまっているという。

 でも日中フルタイムで働く女性に、当時の専業主婦と同じように家事をこなせというのは物理的に無理がある。時間がないのだから、その中でできることをやるしかないのだが、“母のように私も頑張らなくちゃ”と自分を責めて日々ストレスを溜め込む女性が驚くほど多い。そんな女性たちに、本間さんは“頑張らなくていい”と語りかける。まずは親世代の家事の常識の呪縛を解き、家事に対する考え方を一度「ゼロ」にリセット。そうすることで家事にかける時間自体を「ゼロ」にするメリットが見えてくる。

「平成28年社会生活基本調査」によると、女性が1日のうち家事にかける時間は2時間24分。毎日この時間が自由に使えるとしたら…。自分の趣味に使ってもいいし、子どもとコミュニケーションを取る時間に使ってもいい。そんなことを想像するだけでちょっと楽しい気分になってはこないだろうか? さらに家事が「ゼロ」なら、夫婦間でもめがちな家事の分担も、そもそも分担する必要がないのだから喧嘩にすらならないだろう。

“家事はやらなくていい”。そう頭を切り替えて意識改革をすれば、時間に追われる日々にピリオドを打つことができるかもしれない。

家事にお金をかけるのは人生の投資! 最新AI家電&家事代行サービス

 でもどうやって家事を「ゼロ」にするのだろうか。それを担ってくれるのが「最新AI家電」と「家事代行サービス」だ。

 近年はクオリティの高いAI家電が各社より続々と登場している。その中でも本田さんが家事が劇的にラクになる“5種の神器”と謳うのが、洗濯乾燥機、ロボット掃除機、食洗機、AI調理家電、スマートスピーカーだ。

 これらのAI家電は自分で家事を行うよりも高いクオリティで作業してくれる上、人間のようにその時々でムラが出たり、気分によって文句をいったりもしない。たしかに購入時は1点1点が高額に感じるかもしれないが、使用年数で日割りにするとたいした金額ではないことも分かる。本書の中には本田さんがすすめる具体的なAI家電とそのメリット・デメリットが詳しく紹介されている。購入を迷うなら、レンタルで試してみるのもよさそうだ。

「家事代行サービス」も日本ではまだまだ浸透していないが、近年は“手頃な料金で生活にゆとりを与えてくれるもの”に変わりつつあるという。

 実際何をやってくれるのかというと、掃除、洗濯、料理といった一般的な家事全般。食材の買い出しや1週間分の作り置き、アイロンがけ、換気扇の掃除なども希望に応じて頼むことができる。料金も1回5000~8000円程度と、最近では気軽に頼める会社が増えた。

 毎日の家事の負担を減らしたいと思いつつも、“家事にお金をかけるなんて贅沢すぎる”と思う人もいるだろう。しかし共働きであればそこそこの経済力があり、夫婦の生涯所得を考えても大きな負担にはならない。しかもそのお金と引き換えに自分の時間が手に入る。飲み会やマッサージにお金をかけるように家事にお金を割くことは、そこまで抵抗を感じることでもないように思える。

 家事は“頑張らなくていい”もの。時代の変化に合わせて、毎日の家事との向き合い方を一度見直してみるのもいいかもしれない。

文=齋藤久美子