1冊1〜3時間で読破!年間300冊超えの書評ライターによる「10倍速の読書術」とは?

ビジネス

2019/6/4

『神・読書術 10倍速で読んで、要点だけ記憶する』(坂本海/ぱる出版)

 本を読みたいけれど時間がとれない。そう嘆く人におすすめしたいのが、少ない時間でビジネス書を読破する方法を伝授してくれる『神・読書術 10倍速で読んで、要点だけ記憶する』(坂本海/ぱる出版)だ。

 著者は、年間300冊読み、300本の記事を配信する書評メディア「ブックビネガー」編集長の坂本海さん。99%の人がしている残念な読書法を見直し、“10倍速で読んで要点だけ記憶できる”読書術を紹介している。

●全部読むことではなく、重要な点を見つけるのが目的

 なかなか一冊読み終わらない、読書で休日が一日つぶれてしまう、という人は、「一字一句逃さず全部読む」ことに囚われていないだろうか。だとしたら、考えてみてほしい。多くの人がビジネス書に求めるのは、きっと、小説や漫画のように本の世界観に浸ることではない。著者が語る結論や、自分にも取り入れられる知識や技術を見つけることであるはずだ。

 それらの目的は、精読しなくても果たすことができる。そこで活用したいのが、著者が編み出した読書術「エッセンス・リーディング」だ。

 エッセンス・リーディングでは、“理解できる程度に読む部分”と“飛ばし読みでいい部分”との区分けを大事にしている。読み進める前に、まずは目次に目を通して本の構成を見極め、重要なことが書かれた箇所を探してみよう。総論のあとに各論の掘り下げが展開するタイプの本なら、タイトルに結びつく重要な項目はどこなのか。自伝ならば、その人物の人生のクライマックスはいつなのか。その部分に重点を置き、他は飛ばし読みでもよい。

 どんな本であっても、著者が本当に伝えたい内容は一冊のうち20%程度だという。そこを読む前に把握しておくことが大切だ。

 また、「はじめに」と「第1章」は、理解できる程度に読み込むことをすすめている。インターネットが普及してからというもの、本の書かれ方が変わり、最後まで読んでもらうために最初に要点を伝える“結論ファースト”の本が増えているからだ。

 あらかじめ、読み込む箇所を決めてから読み始める。この方法なら、だいたいの本は1〜3時間で読破できる。ビジネス書を読む目的は、全部読むことではなく、重要な点を見つけることなのだ。

●知識を実践に移すまでがビジネス書の真髄

 本を読破できたとして、読み終えたこと自体に満足していないだろうか。思い出してほしい。自分に足りない知識を補ったり、短所を見つけて克服したりするために、本を手に取ったはずだ。読破しただけで何も覚えていないのでは意味がないし、読んだだけで自分を変えられるわけでもない。読書をしたら、要点を記憶することが大事だ。

 記憶するために有効な方法として、「人に話す」というものがある。人に説明するには、内容をしっかり記憶することが必要だからだ。この方法は、記憶を定着させるための科学的な学習法としても知られているそうだ。

 自分にとって重要な項目を見つけたら、人に話すなり、行動に移すなり、とにかく実践してみよう。ビジネス書において、本から得た知識を実践するまでが読書なのだと著者は語っている。

 他に、選書のコツなども紹介されている。同じ分野でも別の著者の本を読むことで真実を得られるし、一見関係なさそうなジャンルの本から仕事で役立ちそうな意外な発想が生まれることもある。また、本書によれば、多くの本を読むと、次の展開をある程度予測しながら読むことができ、さらに速く読める力が身につくという。

 ビジネス書を利用して自分の価値を高めるために必要なのは、一冊を熟読することより、多読であることなのだ。自分のペースにあわせて、年間1冊の人は10冊、年間10冊の人は100冊を目標に。そのためにも本書を読み、10倍速で読む方法を獲得してはいかがだろうか。

文=吉田有希