「プーさんのハニーハント」に登場するサイケデリックな世界は何なの? ディズニーアトラクションの本当の物語

エンタメ

2019/6/20

『ボーっとディズニーランド行ってんじゃねーよ ~ディズニーアトラクション34 本当の物語~』(堀井憲一郎/双葉社)

 大人になってからディズニーリゾートに行ってみると、童心に返れるようで、とてつもなく楽しい。だが、「このアトラクションはどうしてこんな展開なのか?」と疑問を感じることも少なくない。子どもの頃、真剣にディズニー作品を見ていなかったせいで、アトラクションの世界を最大限楽しむことができていないのかもしれない。

 ディズニーに詳しくない人たちにこそ、読んでほしい本がある。コラムニスト・堀井憲一郎氏の『ボーっとディズニーランド行ってんじゃねーよ ~ディズニーアトラクション34 本当の物語~』(双葉社)は、ディズニーランド&シーの人気アトラクション34の原作を紹介した解説本。原作のストーリーと結末を容赦なくすべて書いているから、ディズニーリゾートのアトラクションの世界観がわかる。知っていそうで意外と知らない本当の物語を知れば、ディズニーリゾートをもっと楽しむことができるに違いない。

■「プーさんのハニーハント」に登場するサイケデリックな世界は何なのか

「プーさんのハニーハント」には、アトラクションの後半、薄暗いところで、何台ものポットがあちこちぐるぐる回るサイケデリックなシーンがある。「あのシーンは何?」と疑問に思う人も少なくはないだろう。

 あれは、アカデミー賞も受賞した『プーさんと大あらし』の一場面を再現したもので、プーさんが見た悪夢を描いている世界なのだ。プーさんは友人のティガーから言われた「ズオウとヒイタチって、ただのハチミツ泥棒だ」という言葉が気にかかり、得体の知れない生き物がハチミツを盗りにくるのだと信じて警戒していた。

 本当は、「ズオウとヒイタチ」とは、ティガーが「ゾウとイタチ」と言おうとして舌足らずだっただけだし、彼らが「ハチミツ泥棒」だというのは全くデタラメなのに、プーさんは馬鹿正直に信じ込んでしまう。

 だから、見たこともない生き物「ズオウとヒイタチ」がハチミツを狙いに来る悪夢を見てしまったのだ。悪夢の世界を描いているから、怖く感じて当たり前だったのだ。

■「白雪姫と七人のこびと」はなぜ怖いまま終わってしまうのか

「白雪姫と七人のこびと」に乗ったことがある人は、このアトラクションが王子様が登場しないまま、バッドエンドで終わってしまうことに驚かされるにちがいない。自分が世界で一番美しいと信じていた継母が、その座を白雪姫に奪われたために、魔女に化け、毒リンゴで白雪姫を殺害。豪雨の中を逃亡し、追いかけてきた7人のこびとたちの上に大きな岩を落とそうとする…。アトラクションは、この場面までを描いているから、とても怖く、救いもないのだ。だが、物語の途中までは、忠実に描かれているため、ひとつひとつに注目してみてみると良いだろう。

 そのほかにも、この本は、「『スプラッシュ・マウンテン』はなぜ急斜面へ飛び出すのか」や「『カリブの海賊』はなぜいきなり落下するのか?」など、さまざまな疑問に答えてくれる。ディズニー作品をそんなに真剣に見てなかったのにディズニーリゾートへ行くことになった人や、疑問を感じたまま現実世界に帰ってきた人には、ぜひともこの本を手にとってみてほしい。読めば読むほど、アトラクションが背景にしているストーリーがわかる。物語を知った上で、アトラクションに乗れば、楽しさ倍増。本当のストーリーを知って、ディズニーリゾートを最大限楽しもう。

文=アサトーミナミ