巷に溢れる健康食品やサプリメント、その“ネーミング”にはこんなにも“嘘”があった!

暮らし

2019/6/27

『健康食品・サプリ そのネーミングにだまされてますよ』(若村育子/ワニブックス)

 私たちは情報の洪水にさらされながら暮らしている。一つひとつの情報を精査する余裕のないまま、広告によって購買意欲をそそられた商品を購入し、消費しているのかもしれない。

 そんな情報社会の抜け穴をかいくぐるようにして消費者に誤った情報を提供している商品がある。これらを批判するのが『健康食品・サプリ そのネーミングにだまされてますよ』(若村育子/ワニブックス)だ。おかしなネーミングの商品に“NO”を突きつける。

 たとえば、「野菜ジュース」と銘打っている商品に、野菜の成分がほとんど含まれていなかったら。青汁と銘打っているある商品が、青汁とは到底言えないような成分でできていたら。残念ながら、これは現実だ。

 個別の商品名を挙げながら臆せず批判するのが本書の特徴である。

「えがおの黒酢」はダイエット効果を大々的に宣伝していたが、著者・若村育子氏の調査によれば、ダイエット効果の成分に根拠がないと考えられた。そこでメーカーに問い合わせたところ、「検証結果がある」「当社の顧問の先生が関わったテストがある」と退けられ、肝心の内容については開示されなかったという。

 そこで「顧問」とされる大学の特任教授に若村氏が尋ねてみると、なんと「テストなので、量は多めにしている」とのことだった。これでは、メーカー提示の1日摂取目安量では効果があるとは言えないはずである。

 後に本品のダイエット効果については根拠がないと判断され、消費者庁と公正取引委員会から措置命令が出たそうだ。

 企業の姿勢や行政のルールなどにさまざまな問題点があり、このような商品が市場に数多く出回っている。「新潟こしひかりチーズケーキ」には、こしひかりがほとんど入っていない。「ブルーベリー300倍パワー」の主な成分は、ブルーベリーではなくボイセンベリーだ。ネーミングは、規制がなかなか行き届いていないという。

 まず出発点になるのは消費者の意識だ。私たち消費者にできることとして、若村氏はいくつかのポイントを挙げている。

1.原材料欄で中身の“正体”を知る
2.「これはおかしい!」を大切に
3.「なぜ?」「どうして?」と思うクセをつける

 50年余りにわたって企業と消費者のパイプ役として活躍してきた消費生活アドバイザーの若村氏は、行動する。疑問に思った点はメーカーに直接問い合わせ、行政に確認を取る。本書の核心となるメッセージは、氏の姿勢と言えるかもしれない。彼女を見習い、的確に情報を取捨選択したいものだ。

文=えんどうこうた