人生を制するためには“準備”が重要! 人気テレビ番組の名プロデューサーが教えるマル秘交渉術とは

ビジネス

公開日:2019/7/3

『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』(栗原甚/アスコム)

 恋人や仕事仲間、友達同士などとの人間関係で自分の思いを上手に伝えることができず、悔しい思いをしたことってありませんか。そんなとき、自分のコミュニケーション能力の低さや話し下手であることを理由にして仕方がないと諦めてしまっている人もいるかもしれません。しかし、コミュニケーション力や会話術に自信がない人でも、きちんと思いを伝えて相手の心を動かせる方法はあります。

 その方法とは、ずばり、“準備”をすることです!

『伊東家の食卓』『ぐるぐるナインティナイン』『踊る!さんま御殿!!』『行列のできる法律相談所』『¥マネーの虎』といった数々の人気バラエティー番組を手掛け、CMやドラマなどでも活躍する名プロデューサー初の著者『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』(栗原甚/アスコム)には、自らの経験から培った“成功を掴むための準備の実践法”が紹介されています。さらに、一般の人が知りにくいテレビ業界の裏話なども書かれていて楽しみながら読み進めることができるノウハウ本です。

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 著者は、これまで難題と思われてきたことに対して果敢にチャレンジし、結果として数々の成功を収めてきました。たとえば、『¥マネーの虎』は志願者たちの夢に対して自腹でお金を出資してくれる投資家がいなければ成立しない番組です。しかし、企画を出した段階では、成功が不確かな志願者に対して身銭を切ってまでお金を出してくれる投資家を見つけることは非常に困難であると思われていたといいます。また、吉田栄作へのMC依頼も瞬殺で断られていたそうです。しかし、著者は最終的に両者とも交渉を成立させています。

 加えて、人気漫画『天才バカボン』の実写化も当初、難題とされていた企画のひとつです。同作が持つ独特の世界観を映像化するのは難しいと考えられ、数多くの会社が原作者側から断られていたといいます。著者も初めての電話交渉ではあっけなく断られたそうです。しかし、それでも結果としてOKをもらいドラマ化を実現させました。

 これらの成功は当然ながら運や勢いだけで得られるものではありません。「良い結果を出すには準備が9割を占める」という考えが成功を掴んだベースにあります。著者自らが行った数々の入念な“準備”があってこその結果なのです。

 ビジネスの世界では業務を効率的に進めるための手法として、一般的に、“PDCAサイクル”が挙げられています。しかし、著者が本書で提言するのは“RPDサイクル”です。RPDサイクルで行われるのはReady(準備)、Plan(計画)、Do(実行)で、そのバランスは計画や実行に対して準備に大きな比重が置かれています。

 成功へのプロセスとして重要となる“準備”の方法として、具体的な作り方と併せて紹介されているのが「準備ノート」の作成です。著者が『¥マネーの虎』で20人以上の社長たちに出演交渉した際に強力な武器となっていたもので、どうやってもうまくいかないのではと思うようなことでも、この1冊のノートにより解決できたといいます。

 さらに、RPDサイクルの実行の技術についても解説されています。「今まで仕事で数々の交渉をしてきて、ほとんど断られたことはない」と話す著者が教える「99%断られない8つの法則」はぜひ押さえておきたいポイントでしょう。

 説得が難しいとされる相手へのマル秘交渉術や交渉に向けた準備法などを詳細に明かした本書には、ほかにも、準備の重要性を知る例として、中居正広に贈ったプレゼントやマツコ・デラックスを喜ばせた差し入れの内容、著名タレントたちの差し入れ伝説など興味深い話題もたっぷりです。

 また、日本テレビで初めて織田裕二を起用したときのできごとや、『ズームイン!!朝!』担当時の取材経験、取材NG店への交渉といったエピソードも紹介されていて、十分な時間をかけられないときの準備の在り方や初めて会った人とのコミュニケーションの取り方についても参考にすることができます。

 もちろん、テレビ業界と一般企業とでは仕事と人間関係が大きく異なっていることが多いです。しかし、結果を出すためのプロセスや取り組み方はほとんど同じだったりします。

 準備をするのは当たり前。でも、忙しかったり、面倒だったり、正しい方法がわからなかったりして、本当にきちんとした準備をしていると胸を張っていえる人は案外少ないものですよね。「誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ」を教えてくれる本書は、仕事や人間関係に悩む人ならぜひ一読しておきたい1冊ですよ。

文=Chika Samon