「マネジメント=管理」ではない! サイボウズ式の編集長が唱える、新時代の働き方

ビジネス

2019/8/5

『≪働きやすさ≫を考えるメディアが自ら実践する 「未来のチーム」の作り方』(藤村能光/扶桑社)

 複業やリモートワーク、時短勤務――。

 たびたび話題に上るようになって久しいが、こういった多様な働き方を実践できている人は、あなたの周りにどれだけいるだろうか。ましてや多様な働き方を受け入れる「チーム」の話となれば、もっと難しく、遠いもののように感じてしまう。

 そんな中、働き方も個性も多様なチームを実現してきたのが、ウェブメディア「サイボウズ式」の編集部だ。『≪働きやすさ≫を考えるメディアが自ら実践する 「未来のチーム」の作り方』(扶桑社)の著者・藤村能光氏が編集長を務めている。

「僕は強いリーダーシップで人を率いるようなタイプではありませんし、何か特殊なスキルを持っているわけでもありません」と述べる彼だからこそ、本書では、誠実に「チーム」と向き合ってきた軌跡を覗くことができる。「そもそもあなた自身は、どんな働き方や生き方をしたいの?」と個人に問う藤村氏が、実践から体得してきた哲学の一部を紹介しよう。

(1)感情や安全性を大切に! チームは個の尊重から
「多様な個性を尊重し、その人が納得するやり方で仕事を進めてもらう。それがチームにとっては一番いい」と藤村氏は言う。基盤となるのは「心理的安全性」を確保することだ。そして「心のフィット感」が生まれれば、忌憚なく意見を出し合うことができるようになり、チームは活発化していくはずだ。

(2)とことんオープンにする。社内の人は誰でも閲覧可能
 サイボウズ社では「公明正大」という価値観を大切にしているという。編集部のチャットは社内の誰もが閲覧できるだけでなく、書き込みも歓迎している。それぞれが個を尊重されているからこそ、「情報格差」をなくすためのこのような仕組みも成り立つと言えそうだ。

(3)「マネジメント=管理」ではない。真逆の発想を
 自立すればするほど、働き方はバラバラになる――。その前提を理解し、個人ではなくチーム単位で仕事の成果を見ていくことが重要だ。「本来の上司の役割とは、若手がのびのびと仕事ができる環境を整え、個性を存分に発揮してもらうことであるはず」と藤村氏は述べる。未来のチームでは、個人を管理する発想を飛び越え、個々の能力を最大化させることにフォーカスすることが求められるのだろう。

 チャットツールのトップページにビジョンやポリシーを見ることができるようにしたり、何を聞いてもいいスレッドを用意したり、といったさまざまな工夫にも注目だ。

「自由を担保することがチーム、ひいては企業価値を最大化させる」と語る藤村氏の、試行錯誤の歴史。その論理性としなやかさを、ぜひ知ってほしい。

文=えんどうこうた