【グロ画像注意】死体を“宅配する”彼らの正体は……? リアルな死体描写で人気を呼ぶ『黒鷺死体宅配便』の面白さ

マンガ・アニメ

2019/9/9

『黒鷺死体宅配便』(山崎峰水:作画、大塚英志:原作/KADOKAWA)

 ホラーマンガは数多くあれど、ミステリーや人間ドラマも織り交ぜた重厚な作風で知られる『黒鷺死体宅配便』(山崎峰水:作画、大塚英志:原作/KADOKAWA)は、ぜひ一度読んでもらいたい作品だ。

 主人公は、仏教系大学に通う学生たち。一見、ただの大学生のような彼らは、それぞれが「ダウジング(死体を探し出す)」「イタコ(死体と会話をする)」「エンバーミング(死後処置)」「チャネリング(宇宙人と交信)」などの特殊能力を持っていた。そんな彼らがはじめたのが、死体を届ける宅配便だ。

 第1話の舞台は、自殺者があとを絶たない樹海。

 深く、暗い山のなかで不気味に揺れる首吊り死体は、イタコの唐津九郎(からつ・くろう)に自身の無念を訴えていた。

“ボクらは同じ時間に…別々の場所で心中しよう…と決めた…んだ”
“だけど…有希に会えない(中略)たのむ…有希の所へ連れていってくれ”

 どうやら、一緒に死んだはずの恋人が見つからず探し求めているらしい。話し合いの結果、“死んだ人助け”をはじめた黒鷺死体宅配便のメンバーたち。はたして、死んだはずの恋人はどこに消えてしまったのか。そして、第1話のタイトル「しあわせ未満」に込められた意味とは――。

 本作の恐ろしさは、リアルすぎる死体の描き方にある。一般的なマンガでは、黒く塗りつぶされるようなグロテスクな死体も、作画を担当する山崎峰水氏の技巧により細やかに描写されている。

 死体に群がる虫の羽音、吹き出す黒い血の粘度、眼球が落ちるときの“バチィ”っという音。吐き気を覚えるほどにリアルな画が、読み手を襲う。その恐ろしさは、グロテスクな描写に耐性がある人であってもページをめくるのに躊躇してしまうほど。しかし、だからこそ本作は夏の夜に似つかわしいのだ。

 本作は、最新刊「25巻」が今年7月に発売されたばかりのロングセラー作品。暑い夜に一気に読破して、火照ったからだを冷ましてみてはいかがだろうか。

文=山本杏奈