テレワーク、フリーアドレスの席選びにイライラ…働き方改革に疲れる人が急増中?

ビジネス

公開日:2020/3/16

『「疲れない」が毎日続く! 休み方マネジメント』(菅原洋平/河出書房新社)

「働き方改革関連法」が施行されてから半年以上が経ちました。みなさんの生産性は上がりましたか? なんて訊かれても、実感がないというのが正直な感想ではないでしょうか。なかには、会社が取り入れた施策に振り回されている、というビジネスパーソンもいるはず。また、今では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにテレワークが急増。新たな課題に直面しているという人も少なくないのでは?

『「疲れない」が毎日続く! 休み方マネジメント』(河出書房新社)は、そんな“働き方改革疲れ”を感じている人におすすめの一冊です。著者は作業療法士の菅原洋平氏。

 作業療法士と聞くと、病院で患者さんのリハビリをサポートしてくれる人をイメージしますが、菅原氏は企業で働く人々が、業務や余暇、自分の楽しみなど、本人が「やりたいこと」に力を発揮できるように医学的なサポートをする作業療法士だとか。さまざまな企業で研修を開いたり、社員から話を聞いたりする機会が多い著者は、彼らが働き方改革に“疲れ”を感じているように思う、と綴ります。

advertisement

社内である取り組みが始まれば、脳は新たな行動を企画したり選択し直したりしなければなりません。脳にとっては「タスク」が増えているのです。
柔軟な働き方が取り入れられると、当事者には、自分で働き方と休み方を同時にマネジメントする技術が求められます。この技術の向上が抜け落ちてしまうと、ただ取り組みに振り回されて疲れてしまいます。

 同書では、そんな“働き方改革疲れ”の実例と解決策を提示しています。その一部をご紹介しましょう。

フリーアドレスでどこの席に座るかを考えるだけで疲れるFさん

 働き方改革の施策として、よく耳にする「フリーアドレス」。個人の席を決めず、作業場所を自由に選べる制度です。自分の席から解放されて仕事が捗りそうですが、フリーアドレスを導入した企業で働く社員はこんな悩みを抱えているそう。

出勤して最初に座る席を選んでいる時点でロスがある感じがします。どこでもよいとなると選ぶのは意外にむずかしいです。こんなことを考えているならすぐにやらなければならないことがあるのに、と歯がゆい感じです

 フリーアドレスによってストレスフリーになるかと思いきや、イライラが募ってしまったFさん。このままでは「コミュニケーションの活性化」や「集中力の向上」などのフリーアドレスのメリットが得られない可能性も。そこで菅原氏が提案しているのが、作業内容によって場所を区分ける方法です。

フリーアドレスをすべてフリーだと考えずに、作業の性質によって場所を区分けしてみると、自分の努力だけでなく、場所の力も借りて良い仕事ができます。
集中、ひらめき、単純作業という感じで、自分の仕事をジャンル分けし、それぞれの仕事がうまくできたエピソードを遡って、最適なエリアを用意してみましょう

 作業場所を選ぶときは「あの席はすごく集中できた」「あそこはアイディアが湧きやすい」など、過去の成功体験と結びつけるのがおすすめだとか。ある程度席を決めておけば時短にもつながりそうですね。

 そのほかにも、テレワークで集中する方法や脳の疲れを回復する睡眠法など、さまざまなテクニックが同書に登場します。なかには「仕事をスムーズに進めたいなら朝イチにメールチェックをしない」という、意外なものも。企業任せではなく、自ら働き方や休み方をマネジメントするのも“働き方改革”を成功させる、重要なポイントなのかもしれませんね。

文=丸井カナコ